今年、創刊60周年を迎えた『週刊ベースボール』。現在1日に1冊ずつバックナンバーを紹介する連載を進行中。いつまで続くかは担当者の健康と気力、さらには読者の皆さんの反応次第。できれば末永く、お付き合いいただきたい。 「自分の寿命を短くするなんて、いやです」
今回は『1962年1月1日号』。定価は30円だ。ついに5年目突入だが、まだまだ先は長い。今後ともよろしくお願います。
本文巻頭特集は『監督反逆罪を問われた選手の感情』ときな臭い。
最初はシーズン絶不調ながら日本シリーズMVPの
巨人・
宮本敏雄。現状維持を提示した球団とアップを要求する宮本でもめているらしいが、その中に巨人球団代表の「百万円近くかかるハワイ往復のジェット代も球団で持っている」という発言があった。当時の飛行機代は高い。
ほか国鉄の
村田元一が砂押邦信監督への反発から移籍を志願。
「監督は僕の特異性にも気を掛けず、スパルタ式練習方針を強いる。これではとうてい僕の肩はもたない。監督の言うとおりにして肩が壊れたら、誰が責任を取ってくれるんですか。自分の寿命を短くするなんて、いやです」
と強烈だ。しかし、結局残留。62年は12勝16敗だった。
濃人貴実監督へ猛反発していた
中日・
井上登は南海へ。「飛ぶ鳥あとをにごさずというからな。俺は中日をきれいにやめようと決心したのだ」とすっきりした表情を浮かべていた。
同様に大もめの末、大洋移籍が決まった中日・
森徹は、
佐々木信也の連載対談に登場。中日を出ることは、かなりショックだったようだ。
「本当に火をつけたら爆発しそうなくらいカンカンになっていた時期もあったんですが、いまはそんな恨みも怒りも何にもなくなったし、自分で相当反省する時期は必要だったですね。やっぱり身から出たサビですよ、これは」
また
金田正一の実弟で同じ国鉄入りの星雄が一軍登板のないまま引退し、歌手への転身。早くもキングレコードで「俺ら陽気な渡り鳥」「初恋峠」の2曲を吹き込んだという。
以下、宣伝。
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では、またあした。
<次回に続く>
写真=BBM