長いプロ野球の歴史の中で、数えきれない伝説が紡がれた。その一つひとつが、野球という国民的スポーツの面白さを倍増させたのは間違いない。野球ファンを“仰天”させた伝説。その数々を紹介していこう。 就任会見で……
1980年限りで
巨人の監督を退任し、いわゆる“浪人生活”に入った
長嶋茂雄。ただ、その人気はまだ絶大だ。こうなると「巨人がダメならウチの監督にどうぞ」と他球団からのラブ
コールも熱くなった。
一番熱心だったのが大洋だ。81年9月に早くも長嶋招へい宣言。その後、長嶋から色よい返事がないと、長嶋と親交が深い関根潤三が3年契約で監督になったが、就任会見で「僕は、長嶋君が大洋に来るなら、いつでも監督をお譲りします」ときっぱり言ってしまった。
しかも、その後の戦いの中でも、関根監督の口グセが「90番(長嶋の巨人監督時代の背番号)が来たら、いいチームになるんだけどね」。これではファンもしらける。
結局、長嶋招へいはならず、関根は3年契約を5位、3位、6位で終え、84年限りで退任した。長嶋の浪人生活は92年まで12年間、続くことになる。
写真=BBM