今年、創刊60周年を迎えた『週刊ベースボール』。現在1日に1冊ずつバックナンバーを紹介する連載を進行中。いつまで続くかは担当者の健康と気力、さらには読者の皆さんの反応次第。できれば末永く、お付き合いいただきたい。 結婚話にそっけない長嶋茂雄
今回は『1962年1月8日新年特別号』。定価は10円アップで40円だ。
この年は寅年とあって『虎年に暴れるぜ』と
阪神の特集があった。このオフ、従来の高卒中心の方針を変え、
安藤統夫ら大学出ルーキーを5人獲得。優勝に向け、本気になっていた。
藤本定義監督も「球団が意欲的な補強を見せた。球団がどうしても優勝するんだという強い線を打ち出した。そうなれば監督だって選手だってやらねばならないという気持ちになる。こんどの補強は選手たちに刺激を与えたことになる。この気持ちを優勝にまで持っていくのは監督の務めであり、義務でもある」と語る。
選手時代、巨人・藤本監督の下でプレーした2人も警戒。川上哲治巨人監督は「阪神は絶対にマークしなければならない」、
三原脩大洋監督は「藤本さんは勝負師だからね。怖いよ」と話していた。
佐々木信也の連載対談には巨人・長嶋茂雄が登場。1月に俳優の石原裕次郎夫妻とともにアメリカに行くことになったらしい。「裕ちゃんが61年はよくやったというあれで、一つシゲを連れてってやろうと急に言い出して決まった」(長嶋)ものだ。
オフでもあり、全体に野球以外の話が多く、結婚話もあった。マスコミでいろいろ報道されていたようだが、自身は、
「結婚したから野球がうまくなるってもんだったら、みんなやるでしょう。実際にはそうじゃないからね。だから僕はこと結婚に関しては、そう深く考えないですよ」
とそっけない。
南海・
鶴岡一人監督の連載手記。『南海ホークスとともに』は、「武末投手の女難」がタイトル。49年に入団し、21勝を挙げたアンダースロー・
武末悉昌の話だ。
同年終盤、宿舎を訪れた女性に右手首を切りつけられたという。五反田のカサブランカというキャバレーで働いていた女らしい。その後、武末はプロ入り前にいた西鉄がプロに参入したことで50年移籍(復帰)。鶴岡が西鉄から話を聞いたとき、「戦力的には痛いが、こんな事件を起こしてはチームで働きにくいのでは」と思ったという。
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では、またあした。
<次回に続く>
写真=BBM