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プロ野球仰天伝説

一時的な任意引退を告げられショックから失踪した河野博文/プロ野球仰天伝説142

 

長いプロ野球の歴史の中で、数えきれない伝説が紡がれた。その一つひとつが、野球という国民的スポーツの面白さを倍増させたのは間違いない。野球ファンを“仰天”させた伝説。その数々を紹介していこう。

便宜的に任意引退扱いだったが……



 球史に残る珍事件と言っていいだろう。1990年8月、日本ハムの左腕投手、河野博文が突如失踪、球団も連絡が取れなくなった。

「?」が飛び交う事件の真相が分かったのは10月31日、河野が球団事務所に姿を見せた後だった。

 実は5月末、河野は左アキレス腱を断裂。リハビリは1年近くになると思われた。そのため球団は支配下登録選手を一人減らす意味もあって、便宜的に任意引退扱いとした。

 河野にも、その理由は説明したようだが、どうやら“任意引退=クビ”のインパクトが強過ぎて、それ以外が頭に入らなかったらしい。

「野球ができなくなった」と失意のあまりすべてを投げ出し、知人の家に身を寄せていたという。

 球団はこの一件で年俸400万円減のペナルティーを下した。ある意味、河野はそのくらいピュアな選手だった。

写真=BBM
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