今年、創刊60周年を迎えた『週刊ベースボール』。現在1日に1冊ずつバックナンバーを紹介する連載を進行中。いつまで続くかは担当者の健康と気力、さらには読者の皆さんの反応次第。できれば末永く、お付き合いいただきたい。 いまだもめている東映の契約更改
今回は『1962年2月5日増大号』。定価は10円上がって40円だ。キャンプインはまだだが、各地で合同自主トレが1月20日から本格スタート(南海のみ24日)。アメリカから戻った
巨人・
長嶋茂雄も多摩川の自主トレに顔を出し、汗を流した
「これから体を作っていけばいい。1週間もやればバリバリできる体になるさ。今年は四冠王を狙うかって? 四冠王とは? ああ、三冠王プラス結婚か! 大いに狙いたいね」
いつもに増し、明るい。それだけアメリカが楽しかったか。
いまだもめているのが東映の契約更改だ。
『なにが張本、吉田、久保田を怒らせたのか』という記事があったが、彼ら3人はまだ契約書にサインしていない。
張本勲、
吉田勝豊、
久保田治だ。吉田、久保田は練習にも出ていない。張本は普通に練習に参加していたが、「このままならばキャンプには行かず、故郷(
広島)で練習する」という。
前年、首位打者だった張本は月5万円、年60万円の昇給を提示されたが、拒否。「1ケタ違う。僕以上に上げてもらった人もいるようだが、少なくとも僕以上に働いたものはいないのです」と憤っている。
東映の選手以外でサインしてない選手がもう一人いた。巨人の日系人選手・
宮本敏雄だ。シーズンは不振ながら日本シリーズMVP。その評価をめぐり契約更改でもめた後、ハワイに戻ってまだ来日せず、球団事務所にも連絡がなかったらしい。
3月20日、巨人・
別所毅彦の引退試合が行われるという記事があった。いままで別所の記事でいつも悩んだのは、引退年を60年限りにするか61年限りにするか、だった。61年は、コーチ兼任の形だったようだが、登板もなく、練習に参加した様子もなかったからだ。今後は「61年限りで現役引退」とさせてもらおう。
1962年、12球団のキャンプ地が出ていたので転載しておく。
巨人・宮崎県宮崎
中日・大分県別府
国鉄・鹿児島県湯之元
阪神・甲子園
広島・広島県呉二河
大洋・千葉県銚子市(一次)、兵庫県明石市(二次)
南海・大阪府中モズ
東映・静岡県伊東(一次)、香川県高松(二次)
西鉄・福岡県平和台
大毎・愛媛県道後温泉
阪急・高知県高知(一次)、兵庫県姫路市(二次)
近鉄・愛媛県今治(一次)、高知県高知(二次)
近場ですます球団も多い。
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では、またあした。
<次回に続く>
写真=BBM