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週刊ベースボール60周年記念企画

なぜ張本は怒ったか/1962年2月5日増大号【201】

 

今年、創刊60周年を迎えた『週刊ベースボール』。現在1日に1冊ずつバックナンバーを紹介する連載を進行中。いつまで続くかは担当者の健康と気力、さらには読者の皆さんの反応次第。できれば末永く、お付き合いいただきたい。

いまだもめている東映の契約更改


表紙は左から阪神村山実、南海・野村克也


 今回は『1962年2月5日増大号』。定価は10円上がって40円だ。キャンプインはまだだが、各地で合同自主トレが1月20日から本格スタート(南海のみ24日)。アメリカから戻った巨人長嶋茂雄も多摩川の自主トレに顔を出し、汗を流した

「これから体を作っていけばいい。1週間もやればバリバリできる体になるさ。今年は四冠王を狙うかって? 四冠王とは? ああ、三冠王プラス結婚か! 大いに狙いたいね」

 いつもに増し、明るい。それだけアメリカが楽しかったか。

 いまだもめているのが東映の契約更改だ。

『なにが張本、吉田、久保田を怒らせたのか』という記事があったが、彼ら3人はまだ契約書にサインしていない。張本勲吉田勝豊久保田治だ。吉田、久保田は練習にも出ていない。張本は普通に練習に参加していたが、「このままならばキャンプには行かず、故郷(広島)で練習する」という。

 前年、首位打者だった張本は月5万円、年60万円の昇給を提示されたが、拒否。「1ケタ違う。僕以上に上げてもらった人もいるようだが、少なくとも僕以上に働いたものはいないのです」と憤っている。

 東映の選手以外でサインしてない選手がもう一人いた。巨人の日系人選手・宮本敏雄だ。シーズンは不振ながら日本シリーズMVP。その評価をめぐり契約更改でもめた後、ハワイに戻ってまだ来日せず、球団事務所にも連絡がなかったらしい。

 3月20日、巨人・別所毅彦の引退試合が行われるという記事があった。いままで別所の記事でいつも悩んだのは、引退年を60年限りにするか61年限りにするか、だった。61年は、コーチ兼任の形だったようだが、登板もなく、練習に参加した様子もなかったからだ。今後は「61年限りで現役引退」とさせてもらおう。

 1962年、12球団のキャンプ地が出ていたので転載しておく。

 巨人・宮崎県宮崎

 中日・大分県別府

 国鉄・鹿児島県湯之元

 阪神・甲子園

 広島・広島県呉二河

 大洋・千葉県銚子市(一次)、兵庫県明石市(二次)

 南海・大阪府中モズ

 東映・静岡県伊東(一次)、香川県高松(二次)

 西鉄・福岡県平和台

 大毎・愛媛県道後温泉

 阪急・高知県高知(一次)、兵庫県姫路市(二次)

 近鉄・愛媛県今治(一次)、高知県高知(二次)

 近場ですます球団も多い。

 以下、宣伝。

 週べ60年記念シリーズ『巨人編』『日本ハム編』『阪神編』が好評発売中、『ロッテ編』を鋭意制作中です。

 では、またあした。

<次回に続く>

写真=BBM
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