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プロ野球仰天伝説

ユニフォーム姿で飲み屋に行った酒仙投手・西村幸生/プロ野球仰天伝説146

 

長いプロ野球の歴史の中で、数えきれない伝説が紡がれた。その一つひとつが、野球という国民的スポーツの面白さを倍増させたのは間違いない。野球ファンを“仰天”させた伝説。その数々を紹介していこう。

口グセは「相手の弱点に投げたくない」


タイガース・西村幸生


 主戦ではなく、“酒仙投手”と言われるくらい、お酒が大好きだったのがタイガースの西村幸生。飲む場所は、おでん屋の屋台が好きで、試合の後、ユニフォーム姿で飲んでいることもあった。

 試合で賞金が出ると、若手を誘い、その日のうちに全部飲み切ったという。決して後輩に絡むことなく、楽しい酒だったが、相手がヤクザでも、ケンカを売られたら必ず買った。

 負けん気が強く、巨人戦は特に燃えた。優勝を飾った1937年秋、タイガースは巨人相手に7戦7勝だったが、うち4勝が西村。同年、年度優勝決定戦でも春の覇者、巨人相手に4勝中3勝を挙げ、日本一の原動力となった。

 口グセは「相手の弱点に投げたくない」。巨人の強打者・中島治康に対し、石本秀一監督が「外角低め以外、投げるな」と言っても、平気な顔で内角へ投げた。それでホームランを打たれ、石本監督が怒り狂ったときも、少しも騒がず「じゃ、お前さんが投げろよ」と言い放ったという。

写真=BBM
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