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関東大会で習志野高のみ。公立校消滅の“危機”

 

“恩恵”を受けずに実力でつかんだ切符


5月19日に春季関東大会が開幕。出場19校のうち、公立勢は習志野高(千葉)のみだ


 5月19日、春季関東大会が千葉(千葉県野球場、ゼットエーボールパーク、袖ケ浦市営球場)で開幕。順調に日程が消化されれば、23日に決勝が行われる。

 公立校消滅の“危機”である。今大会は19校が名乗りを上げているが、公立校は習志野高(習志野市立)のみという状況だ。1949年の第1回大会から昨年の第69回大会に至るまで過去に「ゼロ」は一度もなく、習志野高(千葉)が歴史をつなぎ止めたことになる。

 開催地の千葉は4校(その他の6都県は上位2校、神奈川は東海大相模高がセンバツ4強で推薦出場に3校)と増枠。習志野高は今春の県大会で準優勝(2位)であるから、開催地の“恩恵”を受けたのではなく、実力で切符をつかんだ。県大会で東京学館浦安高、八千代松陰高、専大松戸高と私学3校を撃破した。

 昨秋の関東大会の出場校を見ても、市川越高(埼玉)のみ。各都県とも強豪私学がひしめく中で、公立校が勝ち進むのは厳しい状況となっている。

 なお、春の関東大会で公立勢の優勝は2011年の習志野高(準優勝は山梨県立の甲府工高)が最後。その前は1993年の大宮東高(埼玉)と平成以降でも2度しかない。

 関東地区に限らず、その他の地区でも公立勢の逆風の流れはある。いずれは「ゼロ」の時代が来てしまうのか――。

 夏の甲子園を見ても、公立勢の優勝は2007年の佐賀北高が最後という実情がある。とはいえ、あきらめる必要はない。集団競技の野球は強いチームが勝つのではなく、勝ったチームが強い。それだけは、間違いないのだ。

文=岡本朋祐 写真=BBM
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