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プロ野球仰天伝説

ワンバウンドでもかまわず打った初代三冠王の中島治康/プロ野球仰天伝説155

 

長いプロ野球の歴史の中で、数えきれない伝説が紡がれた。その一つひとつが、野球という国民的スポーツの面白さを倍増させたのは間違いない。野球ファンを“仰天”させた伝説。その数々を紹介していこう。

「打てるところがストライク」



 初代三冠王に輝く、戦前を代表する打者、巨人・中島治康。1938年秋(40試合)が三冠王シーズンで、3部門の数字は打率.361、10本塁打、38打点。本塁打は、5本で2位のハリス(イーグルス)らの倍である。

 実は、10月11日から11月5日までの11試合で、ほぼ決まったと言っていい。この間、打率.585、8本塁打、20打点とすさまじい勢いで打ちまくっている。

 中島のバッティングは「打てるところがストライク」と言われたように、悪球打ちで知られた。ワンバウンドの球をヒットにしたり(ホームランという伝説もあるが、それは本人が否定していた)、内角の顔くらいの高さの球をホームランにしたりと、パワーに加え、バットコントロールの器用さも光った。

 実はライト守備の名手でもあり、一塁で刺すライトゴロもよくあった。これは肩の強さというより、打者のクセ、投球の配球を読みながら、1球1球、ポジショニングを変えていたからである。

写真=BBM
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