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プロ野球仰天伝説

指先を空手の特訓で鍛えた七色の変化球・若林忠志/プロ野球仰天伝説156

 

長いプロ野球の歴史の中で、数えきれない伝説が紡がれた。その一つひとつが、野球という国民的スポーツの面白さを倍増させたのは間違いない。野球ファンを“仰天”させた伝説。その数々を紹介していこう。

ストレートを入れたら13種類!?


大阪・若林忠志


 1936年、大阪タイガースに入団した若林忠志。ナックルボールの日本初の使い手であり、七色の変化球で一世を風靡したハワイ出身の日系選手だ。もともとはストレート主体だったが、肩を壊し、球速が落ちたことで、生き残る手段として変化球を磨いた。

 主な変化球はカーブが3種類、シンカー、ナックル3種類、パーム、フォーク、チェンジアップ3種類というから、ストレートを入れたら13種類。さらにどの球種も、ただ投げられるだけでなく、スリーボールでもフルカウントでも投げられるだけのコントロールがあった。

 ナックルはテッド・ライオンズというホワイトソックスの投手に握りを教わり、「そのとき、このボールを引っ張ってみろ、と言われたけど、ビクともしなかった。そのくらい手が大きく、グリップが強いんだね」(若林)。

 手の大きさは仕方がないから指の力を鍛えようと思い、毎日、空手の選手のように指先で畳や板を突いて鍛え、イメージどおりのナックルが投げられるようになったという。

写真=BBM
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