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2018パ・リーグ6球団の遊撃手事情は?

 

優勝するためには、“そこ”が十分に機能していなければいけない。内野守備の要である遊撃手。身体能力が高い選手が守り、華麗なプレーでチームを窮地から救うこともたびたびだ。パ・リーグ6球団の遊撃手事情を見ていこう。

埼玉西武ライオンズ



 昨年、新人ながら正遊撃手となり、全試合フルイニング出場を果たした源田壮亮。今年も西武の遊撃には背番号6が座り続けている。過去、佐々木信也(高橋・1956年)、長嶋茂雄巨人・58年)、徳武定之(国鉄・61年)が新人で全試合フルイニング出場を達成したが、2年目で途切れた。源田が1年目から2年続けて、しかも運動量の多い遊撃で全試合フルイニング出場の偉業を達成するか、注目が集まる。昨年、源田はリーグワーストの21失策。今年は1ケタ失策が目標だが、5月27日現在、2失策と確実性は上がっている。パ・リーグ7位の打率.293と打撃も好調だ。

北海道日本ハムファイターズ



 復権か世代交代か。ケガと不振で苦しんだ中島卓也と2年目で急成長を遂げる石井一成の争いになっている日本ハムの遊撃手争い。豊富な経験値を含めて守備面では中島卓が一歩リードしているが、打撃では石井が非凡な才能で存在感を示している。開幕から1カ月は併用の形だったが、二塁レギュラー候補の横尾俊建太田賢吾が定位置を奪うまでに至らず、遊撃・中島卓、二塁・石井の布陣がスタンダードになってきていた。だがその矢先、5月23日の試合で石井が右手小指のケガで戦線離脱し、現状は中島卓がレギュラー遊撃手として抜け出している。

東北楽天ゴールデンイーグルス



 正遊撃手は茂木栄五郎で、不動の一番打者と目されていたが、5月26日現在で打率.242と本来の姿からはほど遠い出来だ。昨秋に受けた右ヒジのクリーニング手術の影響で調整が遅れ、何とか開幕には間に合わせたが、やはり急ごしらえの印象はぬぐえない。ここまで遊撃手として40試合に先発出場も、5試合を三好匠に、1試合を渡辺直人に譲っている。昨季は6本の先頭打者本塁打と、打線の起爆剤となっていただけに、この男の完全復活なくして楽天の巻き返しはないだろう。

福岡ソフトバンクホークス



 5年連続のゴールデン・グラブ賞、ソフトバンク不動の遊撃手として君臨する今宮健太だが、今季は開幕から打撃で苦しんだ。定着を狙っていた一番からも8試合目で外れ、打率は一時.125まで落ちた。それでも広い守備範囲を誇り、昨季の日本シリーズ第4戦(対DeNA、横浜)に象徴されるようなガッツあふれるプレーでアウトを奪う。心配された右ヒジの関節炎も2試合欠場しただけで、5月26日の楽天戦(ヤフオクドーム)にはスタメン復帰。同試合で見せた好走塁と4安打は反撃のノロシとなるか。

千葉ロッテマリーンズ



 井口資仁監督をして「誰が見ても抜けている」と言わしめた実力を遺憾なく発揮している。平沢大河三木亮らとの遊撃争いを制して開幕スタメンをつかんだルーキーの藤岡裕大は以降、その座を譲っていない。強肩&強じんな脚力を生かした守備のポテンシャルは高く、打撃でもパンチ力のあるところを見せている。走塁面でも積極性が増して自慢の俊足を生かす場面が目立ってきた。平沢と三木は外野にも挑戦して出場機会を模索している状況で、藤岡裕が不動の存在になりつつある。

オリックス・バファローズ



 広い守備範囲と“背中”でチームを支えている。48試合のうち46試合で先発出場と、難病『潰瘍性大腸炎』を患いながら奮闘している安達了一。三遊間の深い打球や左翼前の飛球も好捕するなど、幾度も相手の攻撃の芽を摘むだけでなく、ピンチを招けば投手に声をかけるなど、プレー以外でも貢献度は高い。安達が不出場だった4月7日の西武戦(メットライフ)では大城滉二、翌8日の同戦では福田周平が遊撃に就いたが、チームは敗戦と存在の大きさを結果が物語っている。

写真=BBM
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