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プロ野球仰天伝説

傘をさして守った日米野球のベーブ・ルース/プロ野球仰天伝説158

 

長いプロ野球の歴史の中で、数えきれない伝説が紡がれた。その一つひとつが、野球という国民的スポーツの面白さを倍増させたのは間違いない。野球ファンを“仰天”させた伝説。その数々を紹介していこう。

グラウンドはぬかるんだ田んぼ状態で……


ヤンキースのベーブ・ルース


 1934年、第2回日米野球での話だ。

 11月16日、小倉球場の試合は朝から雨が降り注ぎ、グラウンドはぬかるんだ田んぼ状態。普通なら試合など、とてもできない。

 それでも全米チームをひと目見ようと、大勢のファンが集まっていた。関係者が試合をするかしないかを全米のコニー・マック監督に尋ねると、「もちろん、お客さんが待っている以上、試合をするよ」とニコリ。全米チームの先頭を切ってグラウンドに現れたのがベーブ・ルース(ヤンキース)だった。

 ただ、なんと傘をさしている。プレーボールがかかったら脇に置くのかと思ったが、そのまま。ルースはこれでも無失策でホームランも打っているのだから、やっぱりすごい。

 ほかの選手は傘こそささなかったが、ゲーリッグ(ヤンキース)はスパイクを脱ぎ、観客の一人から長靴を借りると、それを履いて試合に出た。

 誰ひとり、豪雨の中で嫌そうな顔をする選手がいなかったというから、さすがプロだ。

写真=Getty Images
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