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ベースボールゼミナール

アメリカンノックって、なに?/元ソフトバンク・柴原洋に聞く

 

読者からの質問にプロフェッショナルが答える「ベースボールゼミナール」。今回は外野守備編。回答者は現役時代にゴールデン・グラブ賞を3回獲得した、元ソフトバンク柴原洋氏だ。

Q.新年度から中学に進学する子どもクラブチームで練習を手伝うことになりました。私は学生時代に外野手でしたが、よく「アメリカンノック」なる練習をした記憶があります。大きな打球を延々と走って捕球し、それを繰り返していましたが、この練習の目的は何だったのでしょうか。また、プロや社会人などレベルの高いカテゴリーの選手たちでも行うのでしょうか。(東京都・39歳)



A.体力面や球際の強化にとどまらず、さまざまな効果が期待できるメニュー。


元ソフトバンク・柴原洋氏


 アメリカンノック、ありましたね。名前は別にして、同様の練習はプロの世界でもよく行われています。一軍ではキャンプ中、ファームになると不定期ですが、練習日など年間を通して取り入れられているのではないでしょうか。

 正式な名称なのかは定かではありませんが、「アメリカンノック」は、例えばレフトの定位置にいて、ライトの定位置を目指して全力で走り出し、その走った先、ギリギリ届くか届かないかのところにノッカーが打球を打ち、外野手がこれを何とか捕球する、というメニューです。

 ハッキリ言ってしまうと、本来の守備範囲外の打球を追うことになりますが、これはシートノックのような実際のゲームに近い形で受けるノックではなく、“強化”が目的だからです。体力面の強化、下半身の強化、球際の強化が主だったところでしょうか。

 また、グラブを持って全力で走ること(どうすれば早く走れるかが身に付く)、目を切って打球を追うこと、余裕のある打球に対しては回り込んで入ること、限界まで追うことで自分自身の守備範囲を知ることにもつながりますし、これを繰り返すことで守備範囲自体を広げることにもつながります。さまざまな効果が期待できるというわけですね。体力面の強化にしても、ただ単純に走るメニューよりも選手は一生懸命に走りますし、今考えるとよくできたメニューではないでしょうか。侮れない練習です。

 真剣にやると、かなりキツイですけどね。実際、技術的に鍛えられているプロの一軍でこのメニューが取り入れられるのは、目切りや球際の捕球動作などの確認とともに、一番は体力強化が目的でしょう。逆にまだまだ技術的に未熟な二軍の選手や、アマチュアの選手たちにとっては、体力面の強化もそうでしょうが、さまざまな要素が詰まった練習ですから、ノックを受ける当人が目的意識を持って取り組むことが重要だと思います。

 質問の方はノックを打つほうに回るわけですが、ここに質問をしてくれたということは、おそらく、学生時代はただ走ってノックを受けて、を繰り返していただけではないですか? これからは選手の特徴や課題、弱点を把握し、どのような質の打球を打ってあげるのか、考えてあげてください。ただ、ノッカーの技術も問われますよ。

写真=BBM

●柴原洋(しばはら・ひろし)
1974年5月23日生まれ。福岡県出身。北九州高から九州共立大を経て97年ドラフト3位でダイエー(現ソフトバンク)入団。11年現役引退。現役生活15年の通算成績は1452試合出場、打率.282、54本塁打、463打点、85盗塁。

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週刊ベースボール編集部

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