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プロ野球仰天伝説

自ら畑を耕して選手の食糧難を救った鶴岡一人/プロ野球仰天伝説163

 

長いプロ野球の歴史の中で、数えきれない伝説が紡がれた。その一つひとつが、野球という国民的スポーツの面白さを倍増させたのは間違いない。野球ファンを“仰天”させた伝説。その数々を紹介していこう。

合宿所に家がない選手をすべて集めて


南海・鶴岡一人


 終戦後、南海は鶴岡一人が兼任となって再スタート。当時の大きな問題は2つ。食料の確保と選手に八百長を要求する賭け屋を近付かせないことである。

 まず、中百舌鳥の合宿所に、家がない選手はすべて集めた。それから畑を借り、人に頼んで田んぼにして米を作ってもらい、自分たちは空き地に、簡単につくれる芋を植えた。配給だけではとても生きていけないからだ。

 選手を集めたのは、賭け屋を近付かせないためでもあった。それでも、すでにどっぷりはまっている者もいた。鶴岡は警察とも協力し、徹底的に調べ、八百長に手を染めた者はチームをやめさせたという。

 そして再開の1946年シーズン、チーム名を近畿グレートリングにした南海は、機動力を武器に快進撃を見せ、2位の巨人とは僅差だったが、見事、優勝を飾った。

 ただ、どうやらグレートリングがスラングで女性の性器をさすらしいと聞き、翌年途中からは南海ホークスに変えている。

写真=BBM
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