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週刊ベースボール60周年記念企画

鶴岡一人退任騒動の真相?/週べ1962年6月25日号【220】

 

今年、創刊60周年を迎えた『週刊ベースボール』。現在1日に1冊ずつバックナンバーを紹介する連載を進行中。いつまで続くかは担当者の健康と気力、さらには読者の皆さんの反応次第。できれば末永く、お付き合いいただきたい。

長嶋になぐられた?


表紙は巨人長嶋茂雄


 今回は『1962年6月25日号』。定価は40円だ。先日の記事で南海・鶴岡一人監督の辞任会見を取り上げたが、この号で鶴岡の特別寄稿として『野球はやめないが、監督はやめる』が掲載されていた。

 会見の後、いろいろな意見が寄せられたようだ。
「同情や激励や批判のなかで、自分でも思いがけないことで、かつ痛かったのは『お前は卑怯だ』ということである」
 要はあとを蔭山和夫コーチに任すなら任すで、もっとチーム状態がいいときにすべきではないか。最下位で投げだすとはとんでもないということだ。
 前回も触れたが、鶴岡自身は南海を離れるのではなく、GM的な立場を望み、今後については、「スカウトをしっかりすること。二軍の選手に野球の基礎を徹底的に叩き込むこと」で南海を強くしたいという。
 ただ、野村克也は「親分に早く戻ってもらうためには、勝つことしかないんだ」と言ってた。

 低迷する中日(5月26日から10連敗)に対し、ホームの中日球場でも味方ファンからのヤジがきつくなっていた。特に内紛で主力選手を放出した濃人貴実監督へのヤジは辛辣を極めた。
 荒れたファンの不満のはけ口は敵チームにも向けられ、巨人戦で敗れた後、巨人の選手バスに投石し、窓ガラスを割った男もいた。これを取り押さえ、警察に突き出したのが巨人の選手だったが、犯人が「長嶋(茂雄)に殴られた」と言って、地元の夕刊に「長嶋選手なぐる」の記事が出たらしい(事実無根)。
 中日はテコ入れのためニューカムに続き、ラリー・ドビーの獲得を発表した。こちらもニューカム同様、メジャーの大物で本塁打王、打点王を2回獲得。ただし、59年限りで引退していた選手ではあった。

 6月9日、完成した神宮球場の夜間照明を使っての初ナイターが開催。大毎─東映のダブルヘッダーで4時30開始の第1試合4回終了後、カクテル光線が登場した。
 2試合目では、怪童・尾崎行雄が奪三振11の完封で13勝目(3敗)。試合後、「僕、三振させよう思ったら三振を取れるんです。不思議です」と語った。

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 では、またあした。

<次回に続く>

写真=BBM

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