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週刊ベースボール60周年記念企画

藤本定義の神通力/週べ1962年7月2日号【221】

 

 今年、創刊60周年を迎えた『週刊ベースボール』。現在1日に1冊ずつバックナンバーを紹介する連載を進行中。いつまで続くかは担当者の健康と気力、さらには読者の皆さんの反応次第。できれば末永く、お付き合いいただきたい。

19勝は簡単にできちゃう?


表紙は左から東映・尾崎行雄張本勲


 今回は『1962年7月2日号』。定価は40円だ。東映の17歳、尾崎行雄が止まらない。6月16日、近鉄戦(中日)に完封で14勝目。3試合連続完投、2試合連続完封勝利で、6月はこれで4勝目、通算防御率も1.03とした。

「あまり調子はよくないんです。季節の変わり目はいかんですね。メシも食えないし」と珍しく弱音をはいた尾崎だが、目標はとんでもなく高い。

「新人の最高勝利は権藤さん(博。中日)の35勝でしょう。プロ野球の最高は稲尾さん(和久。西鉄)の42勝か。こいつは無理かな。でも、僕の最初の目標だった19勝はオールスター前くらいにはできちゃうでしょ。そしたらね。三振がいま130で、金田さん(正一。国鉄)の(当時のシーズン奪三振最多)記録が350だから……」

 ちなみに19は背番号。昭和19年生まれだったので、自ら希望したらしい。

 セ・リーグは阪神が首位を走る。藤本定義監督の投手起用法が冴えまくっていた。ダブルエースの小山正明村山実は語る。

「僕はオヤジさんに頭が上がらない。投げたいと思うときにちゃんと投げるように命令してくれる。不思議な神通力を持つ人だな」(小山)

「ほんとに、気持ちよく使ってくれる。やはり経験から割り出しているんですかね。驚くばかりの起用法です」(村山)

 低迷する中日では、ドン・ニューカム(登録名ニューク)がついに来日。56年には27勝で最多勝にもなっているが、すでに一度引退し、かなり太っていた。しかも起用は打者でという。打撃のいい投手として知られてはいたが、どうなるか。

 この年、首位打者となる広島森永勝也が登場。もともとは勝治だったが、姓名判断の本を見て改名したという。あだ名はやっぱり「キャラメルさん」だった。

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 週べ60年記念シリーズ『巨人編』『日本ハム編』『阪神編』『ロッテ編』が発売中です。

 では、またあした。

<次回に続く>

写真=BBM
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