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プロ野球仰天伝説

栄養失調からマウンドでぶっ倒れた別所昭/プロ野球仰天伝説164

 

長いプロ野球の歴史の中で、数えきれない伝説が紡がれた。その一つひとつが、野球という国民的スポーツの面白さを倍増させたのは間違いない。野球ファンを“仰天”させた伝説。その数々を紹介していこう。

人並外れた大食漢が……


南海・別所昭


 1942年終盤に入団し、14勝を挙げた43年限りで応召していた南海・別所昭(毅彦)。プロ野球再開の46年は19勝13敗で、エースとして優勝に貢献した。

 ただ当時、別所の頭の中で野球以上に大事だったものがある。それが食べ物だ。もともと人並み外れた大食漢。配給などではとても足りず、毎日、ひもじくて仕方がない。そこで鶴岡一人監督に頼み、1勝するたびに米を2合もらう約束をした。

 この年の最終戦、11月5日の変則ダブルヘッダーは第1試合が巨人対セネタース、第2試合がグレートリング対中部日本。巨人が勝ち、グレートリングが負ければ優勝決定戦もあったが、第1試合で巨人が敗れ、あっさり優勝が決定した。

 その後、2試合目に先発した別所だったが、気が抜けたこともあってか、5回にめまいがしてマウンドで倒れ、病院に運ばれた。

「栄養失調でした。だから、優勝記念の写真に僕は写ってないんですよ」(別所)

写真=BBM
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