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プロ野球仰天伝説

二日酔いで!? 7打席7安打の天才打者・大下弘/プロ野球仰天伝説166

 

長いプロ野球の歴史の中で、数えきれない伝説が紡がれた。その一つひとつが、野球という国民的スポーツの面白さを倍増させたのは間違いない。野球ファンを“仰天”させた伝説。その数々を紹介していこう。

まことしやかに伝えられたウワサ話


東急・大下弘


 1949年11月19日の大陽戦(甲子園)で、東急の天才打者、大下弘はすさまじい勢いで打ちまくった。

 単打4本、二塁打3本でなんと7打席7安打。延長戦も含めれば、4年後の53年に、阪急・古川清蔵が9打席で7安打をしているが、9回でしかも全打席でヒットというのは、史上唯一だ。試合のスコアは、22対2。もちろん、東急の大勝である。

 しかも、大下はこの日、二日酔いで試合に挑み、ボールが二重三重に見えながら打ったというウワサも、まことしやかに伝えられた。

 本当は違う。大下は酒の席は好きだが、翌日に匂いが残るまで酒が飲めるほど強くない。大下自身、「そんなの面白おかしく伝えられた作り話」と言って笑っていた。

 この年の8月18日には、札幌円山の大映戦で推定170メートルのホームランを放っている。これは当時、史上最長とも言われた伝説の一打だ。ただし、打撃3部門では、2年連続の無冠に終わっている。

写真=BBM
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