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プロ野球仰天伝説

政財界を巻き込む大騒動の末、西鉄入りした大下弘/プロ野球仰天伝説167

 

長いプロ野球の歴史の中で、数えきれない伝説が紡がれた。その一つひとつが、野球という国民的スポーツの面白さを倍増させたのは間違いない。野球ファンを“仰天”させた伝説。その数々を紹介していこう。

借金を突き返し、「野球をもうやめます」


西鉄・大下弘


 戦後、球界を揺るがしたのが大下弘の移籍騒動だ。

 1948年、東急は前年に大映と合併し、急映となっていたが、49年の大映の独立により選手が大量離脱した。大下は球団に泣きつかれ、選手集めに奔走。それで、ずいぶんお金を使ってしまった。さらに母親が麻薬中毒で、その治療費も必要となり、やむなく球団に借金を繰り返した。

 だが、球団は大下が誘った若い選手に契約金を渡そうとせず、それを大下が抗議すると、「君が借金を返したらな」と言われた。激怒した大下は家も担保に金をかき集め、借金を突き返し、「野球をもうやめます」と言った。

 これに対し、「君は保有選手だから、勝手は許さない」と西鉄への移籍話を進める球団と、大下獲得を狙う近鉄、毎日、さらに政財界の大物たちが水面下で動き回る。

 大下の失踪騒ぎもあったが、最終的には52年4月11日、西鉄移籍が決まった。すでに、この年のペナントレースは始まっていた。

写真=BBM

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