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プロ野球仰天伝説

張本勲がとった野村克也の“ささやき戦術”撃退法とは?/プロ野球仰天伝説172

 

長いプロ野球の歴史の中で、数えきれない伝説が紡がれた。その一つひとつが、野球という国民的スポーツの面白さを倍増させたのは間違いない。野球ファンを“仰天”させた伝説。その数々を紹介していこう。

最強打者の苦手なコースは……



 日本プロ野球で最多の3085安打をマークした張本勲(東映−巨人ロッテ)は打撃投手に内、外角にボールを投げさせて練習したという。

「オレほどの打者にまともなストライクなんて投げてこない」と、てんからボール球を安打にする打撃の職人だった。だから、張本の穴はなんと“真ん中のストライク”。意外と絶好球が苦手だったという。

 エース級のウィニングショットを打ち砕くことに闘志を燃やした。東映時代、南海の皆川睦雄のスライダーはえげつなく懐に食い込み、左打者は手を焼いていた。張本ほどの打者でもお手上げだったが、ひそかに35インチのバットを33インチにして打ち込んだ。皆川は何が起こったか分からず考え込んでしまったが、現役を引退した後で張本は皆川に種明かしをした。

 その南海でマスクをかぶっていたのが野村克也。打者に聞こえるようにブツブツつぶやく“ささやき戦術”を駆使していた。

「どうもその顔は今朝、女房とケンカしてきたからだな」

「○○投手は手のつけられんヤツだ。球がどこに来るか分からへんので気をつけてや」

 打者はそのたびに精神状態がおかしくなってしまう。

 そこで、一計を案じた張本はニンニクをうんと食べて、野村のほうへ向けてハーッと息をかけて近寄らせなかったという。

写真=BBM
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