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プロ野球仰天伝説

信子夫人にハッパをかけられ全試合出場で2度目の三冠王を獲得した落合博満/プロ野球仰天伝説173

 

長いプロ野球の歴史の中で、数えきれない伝説が紡がれた。その一つひとつが、野球という国民的スポーツの面白さを倍増させたのは間違いない。野球ファンを“仰天”させた伝説。その数々を紹介していこう。

誰にも文句を言われないように……


2度目の三冠王に輝いたロッテ落合博満(左)と信子夫人


 1985年、ロッテの落合博満は2度目の三冠王に輝いた。この年、初めて三冠王となったときの記録(打率.325、32本塁打、99打点)を大幅に上回る打率.367、52本塁打、146打点をマークしたが、ピンチがなかったわけではない。

 9月下旬ごろから腰に疲れがたまって腰痛に悩まされた。一時はバットを拾うのにも恐る恐る腰を曲げる始末で、.375あった打率が10月に入ると3割5分台への急降下。この間、レーザー光線治療、電器マッサージなど3軒も病院を回って必死の治療もした。

 とはいえ、打撃3部門で独走している落合にとっては、試合を欠場してもよかった。しかし、信子夫人の「何事も最後が肝心。シャキッとしなさい。フンドシを締め直してね。それでもダメだったらパンツをやめて本当に明日からフンドシにしますよ」というジョーク交じりのハッパに再び落合のバットが火を吹いたのだ。

 また、自らにも「この前は試合を欠場して三冠王を取ったなんて言われたんで、今度は誰にも文句を言われないように全試合に出て三冠王を取ってやる」という男の意地があった。

 10月18日の日本ハム戦で49号本塁打をかっ飛ばすと、2位のかかった21日の最終戦(対西武)で元南海の野村克也と並ぶパ・リーグタイ(当時)の52号を放つなど4試合連発のフィニッシュ。チームが負ければ4位転落のピンチを救うとともに、落合はまさに有終の美を飾って全試合出場で2度目の三冠王に輝いた。

写真=BBM

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週刊ベースボール編集部

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