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「彼に名前を覚えてもらえる選手に」桐生に勝った男 阪神・島田海吏

 

中学3年生のときの大会で現日本記録保持者の桐生に100メートルで勝った島田。今度は阪神でスピードスターとして飛躍したい


 今季阪神にドラフト4位指名で入団した島田海吏。彼の代名詞的な扱われ方をする言葉が「桐生に勝った男」だ。桐生とは男子100メートル走現日本記録保持者(9秒98)の桐生祥秀(日本生命)のことである。そのことを島田本人に聞くと「本当に恐れ多いですよ。彼は日本で初めて9秒台を出したスター選手ですよ!」と謙そんする。しかも「勝ったのは事実ですが、あのとき桐生はケガをしていたので、勝ったうちには入らないです」と。

 2010年10月、日産スタジアムで行われた第41回ジュニアオリンピックで2人は対戦をしている。Aクラス(中学3年生)男子100メートル走。予選第4組で桐生が11秒46、島田が11秒50とこのとき島田は桐生に負けたが2人とも準決勝にコマを進めた。準決勝第3組でまたも直接対戦となった2人。今度は島田が11秒41で4位。桐生が11秒60で8位に終わった。

 このときの対戦から「桐生に勝った男」と言われているのだ。「当時から桐生はスターでしたから、僕のことなんて知らないですよ。だからそう言われるのが申し訳なくて」と島田。一方で2016年リオデジャネイロ五輪4×100メートルリレー決勝は、自分のことのようにドキドキしながら画面にかじりつき応援をした。

「桐生に僕の名前を覚えてもらえるように頑張っています」

 現在、二軍で課題を一つずつ克服している最中だ。そして近い将来、虎のスピードスターとして「桐生に勝った男」ではなく「阪神・島田海吏」の名を全国に轟かせてほしい。

文=椎屋博幸 写真=早浪章弘
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