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伊原春樹コラム

巨人で長嶋さん、王さん、松井に続く真の四番だったラミレス/伊原春樹コラム

 

1球たりとも手を抜かない


四番として申し分ない成績を残したラミレス


 巨人ヘッドコーチ時代のラミレスもここというときに必ず打つ、チャンスに強い四番だった。私は2008年から10年までともにプレーしたが、打率は.319→.322→.304、本塁打は45→31→49、打点は125→103→129と申し分ない成績。巨人だけがマスコミで“第何代”四番と数えられている。球界の中でも重みのある“称号”であるだろう。今季の岡本和真が第89代だそうだが、ラミレスは巨人で長嶋茂雄さん、王貞治さん、松井秀喜に続く真の四番だったと言っても過言はないだろう。

 ラミレスは打撃練習でも、1球たりともおろそかなスイングはしなかった。すべて、スタンドインさせるつもりでバットを振っていた。1度、その理由を本人に聞いてみたら、「少年時代、練習で“オレはいつでも打てるんだ”というような態度を見せてしまった。そのとき監督に“それだとオレは使わないぞ”と言われて、そこから練習でも力を抜くことはなくなった」ということだそうだ。

 どちらかというと三番に座ることが多かったが、例えばブライアント(近鉄ほか)も打撃練習から豪快なスイングで打球をポンポンとスタンドへ飛ばしていた。当時はビジターチームもホームチームが打撃練習中に外野でランニングやストレッチができた。ブライアントが打撃練習で、あまりに強烈な弾道を描いて、打球がわれわれの頭を越えていくものだから「見るな、見るな」と選手に言ったものだ。カブレラ清原和博も同様だったが、練習から相手に恐怖感を与えるのも、また真の四番というものなのだろう。

 四番は球団の顔でもある。ただ、打てばいいというものでもない。野球に対する姿勢も立派でなければ、真の四番とは言えないだろう。人間的にも優れていなければ、誰しも認める四番にはなれない。そういった意味で言えば、例えば中田翔日本ハム)はどうか。髪の毛を染めたり、ヒゲを生やしたり。弱い自分を隠すために、外見を派手にしているように受け取られるし、現に中田はスランプに陥るとなかなかそこから抜け出せない。四番としては大きく物足りないものがある。

写真=BBM

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週刊ベースボール編集部

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