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週刊ベースボール60周年記念企画

金田正一、カッカするのも悪くない/週べ1962年9月17日号【233】

 

 今年、創刊60周年を迎えた『週刊ベースボール』。現在1日に1冊ずつバックナンバーを紹介する連載を進行中。いつまで続くかは担当者の健康と気力、さらには読者の皆さんの反応次第。できれば末永く、お付き合いいただきたい。

青田昇は世が世なら大博打打ちに?


表紙は左から巨人長嶋茂雄、東映・尾崎行雄



 今回は『1962年9月17日号』。定価は40円だ。
 9月2日巨人戦で国鉄の金田正一藤尾茂から三振を奪い、通算奪三振を世界タイ記録の3508とした。金田は「目標が達成できたとスカッとした。さしあたって次の目標は4000個だ。2年がかりで4000個をやる。誰も作れない記録を作って生涯の記録とするつもりだ」と語っている。

 怒りっぽいのも役に立つ、という話もあったので引用しよう。
「わしがカッカするのは、根が正直なせいだ。勝負に生きる人間で負けても勝っても何も感じない人なんていないはずだ。
 負ければ口惜しいし、勝てばうれしい。なにもそれを隠す必要はない。ただわしの場合は、怒って人に迷惑をかけるときが多いらしいから、その点は改めなくちゃいかんと思っている。
 しかし怒っているうちはまだ野球ができる証拠で、わしが怒らなくなったら、わしの本質は失われてしまう。
 わしは怒っても怒ったために打たれたということはない。怒ってどうでもいいわいというピッチングはやったことがない。怒っていても、バッター心理状態だけは、かなり正確につかめる」

 優勝にひた走る阪神は、現役時代ジャジャ馬と言われた青田昇打撃コーチの貢献も大きいようだ。その青田に対し、現役時代巨人でチームメートだった解説者の千葉茂は、こう評している。

「青田はもともと勝負ごとが好きな男なのだ。世が世なら青田一家の大博打打ちになるくらいの度胸と勘を持った男だ。
 勝負に対しては実に厳しい眼力を持っている。とにかく先を読むという点では断然優れているね。現役時代は、投手の次の球などをよく当てた。本人に聞くと、俺はヤマ勘で当てるんじゃない、科学的根拠でヤマを張る、と言っていたが、確かにパッとひらめく勘と、科学的勘をミックスしてやっていたのかもしれん。野球に対しては研究熱心だったからね」

 東映の怪童・尾崎行雄は18勝の後、19勝がなかなかできない。ただ、指先のマメという原因が分かっているだけに「指が治れば勝てると思います」と本人の表情は暗くない。

 南海の広瀬叔功が時々、左打席で打ってたという記事もあった。初耳だ。

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 週べ60年記念シリーズ『巨人編』『日本ハム編』『阪神編』『ロッテ編』が発売中。現在、『広島編』を鋭意制作中です。

 では、またあした。

<次回に続く>

写真=BBM

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