深刻なヤクルトの死球禍
6月30日、ヤクルト・
青木宣親が頭部死球を受けた。これで13個目。シーズン記録は2007年
オリックス時代のラロッカの28だが、抜き去る可能性もある(もちろん、青木は嫌だろうが)。
ヤクルトはセ・リーグ最多の31死球を受けている。青木の場合、かぶさるようなフォームも影響しているのかもしれないが、今季のヤクルトは3月16日のオープン戦で
荒木貴裕、4月3日、
川端慎吾、6月12日に
中村悠平が頭部死球。ほかに頭部ではないが、
坂口智隆にも死球離脱の時期があった。
神宮が狭い球場ゆえ、より内角を攻める必要があることも影響しているのかもしれないが、危ない死球が多く、心配だ。
ただ、パ・リーグに目をやると、このヤクルトを遥かに上回るのが
ロッテの46だ。前年もリーグ2位タイの57ではあったが。異様なハイペースである。
個人別では
中村奨吾の11、
鈴木大地の9が目立つ。鈴木は17年のリーグ死球王(18)だが、中村は、17年は1シーズントータルで今季と同程度の打席ながら6から11と急増。それだけ警戒される打者に成長したともいえるが……。
ロッテはほかにも注目すべき数字が多いチームで、三振はリーグ最少の418。2番目に少ないのがオリックスで529だから、その少なさが際立つ。
以下は、あくまで推論だが、
井口資仁監督の「四球はヒットと同じ」という出塁重視の考え方、さらに、内角球を引き付けて打つ打法の指導に定評がある
金森栄治コーチの影響もあるのかもしれない。
つまり各打者に、よりボールを見極める、引き付ける意思が生まれ、それが死球の数に影響しているのでは、という推論だ。
いずれにせよ、プロ野球における死球の危険性は高く、それで選手生命を断たれた選手もいる。
くれぐれも注意を。
写真=BBM