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プロ野球仰天伝説

“2年目のジンクス”は関係なかった野茂英雄/プロ野球仰天伝説193

 

長いプロ野球の歴史の中で、数えきれない伝説が紡がれた。その一つひとつが、野球という国民的スポーツの面白さを倍増させたのは間違いない。野球ファンを“仰天”させた伝説。その数々を紹介していこう。

2年連続最多勝&200奪三振


近鉄・野茂英雄


「2年目のジンクスについては、終わったときにあらためて聞いてください」

 村田兆治氏(元ロッテ=解説者)が「2年目のジンクスをどう思うか?」とキャンプで尋ねると、近鉄・野茂英雄はこう力強く答えたという。

 投手タイトル総なめの8冠を収めたルーキーイヤーの1990年。明けて91年、野茂の周辺は前年以上にかまびすしかった。誰もが口にしたのが“2年目のジンクス”。

「雑音なんか気にしない。とにかく自分がやらなくてはしようがない」

 4月7日、開幕2戦目(対日本ハム)から5月9日の同カードまで6試合連続2ケタ奪三振のプロ野球新記録を達成。その後は西武工藤公康オリックス星野伸之と最多勝を争った。

 10月5日は、その3人が投げて3人とも勝利を手にした。野茂は17勝、星野と工藤は16勝。野茂と工藤は、その後も登板したが勝敗はつかず、野茂が1勝差で単独最多勝に輝いた。

 しかし、野茂いわく「大事な試合に勝っての17勝なら満足ですが、(優勝した)西武に勝てなかったのは残念」。エースとして「何よりも優勝したい」と願っていただけに、優勝した西武相手の5敗は、悔やまれるものだった。

 奪三振数は、前年とまったく同じ287個。新人の年から2年連続200奪三振は、江夏豊(当時阪神)以来23年ぶり8人目の記録になる。

 この年の成績は17勝11敗1セーブ、防御率は3.05。ジンクスを“トルネード”でしっかりと吹き飛ばした。

写真=BBM
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