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ベースボールゼミナール

強く振っても引っ張ることができない原因は?/元ソフトバンク・柴原洋に聞く

 

読者からの質問にプロフェッショナルが答える「ベースボールゼミナール」。今回は打撃編。回答者は現役時代に巧打の選手として活躍した、元ソフトバンク柴原洋氏だ。

Q.小学校で軟式野球をしています。右投げ左打ちです。強く振ることを心掛けていますが、打球をライト方向へ引っ張ることができません。空振りはしませんが、ショートゴロやフライが多いです。どうしたらもっと打てるようになりますか。(東京都・11歳)



A.まずは自分のポイントを確認すること。力むとバットが出ず、体が開いてミスの原因に。


ソフトバンク・柳田悠岐


 まず考えてほしいのが、どのポイントでボールを打つのか(とらえるのか)、ということです。11歳ですから、ポイントが定まっていないのは仕方がない。また、強く振る意識はいいのですが、その思いが強過ぎて体だけ前に突っ込み、上半身が開いてしまってバットが出てこない状態であることが容易に想像できます。だから振り遅れて、ショートゴロや逆方向への打球が多くなるのではないでしょうか。

 プロ野球選手でも、打とうという気持ちが強過ぎて、これが力みに変わり、バットがついてこないことが多々あります。プロ野球中継などで、ど真ん中の絶好球を打ち損じている(もしくは逆方向に飛んでしまう)場面を見たことがあると思いますが、大抵、このような力みがミスショットの原因になっていると言えるでしょう。

 質問の方には、まずはどのポイントであればライトに引っ張ることができるのか、を探ることから始めてほしいですね。その上で、そのポイント周辺で強く振ることを心掛ける。順番としてはこれ以外にないと思います。監督やコーチに「強く振れ」、「強く振れ」と教わると思うのですが、最初から最後まで力を入れるのではなく、構えた時点ではリラックスしてボールを待つべきです。その後、探り当てたポイントの周辺で強く振る意識を持つことが大事ですね。

 もっと言えば、正しいポイントで打てるようになるまでは「強く振ること」を封印してもいいかもしれません。5割程度の力でもいいので、まずは正しいポイントで当てること。そして、その確率を高めていく。練習方法としては、スタンド・ティーをおススメします。パートナーにトスを上げてもらうと、コントロールがまちまちになりがちですから、リズムを狂わせてしまいます。その点、スタンド・ティーであれば、スタンドにセットした止まったボールを打ちますから、コースも高低も自由自在に変えることができ、どのポイントで打つと、どの方向に打球が飛んでいくのか、確認することが可能です。

 5割の力のスタンド・ティーでポイントがつかめてきたら、6割、7割、8割、9割と力を加えていってもいいでしょう。しっかり構えて、リズムよく振ることを考えてください。

●柴原洋(しばはら・ひろし)
1974年5月23日生まれ。福岡県出身。北九州高から九州共立大を経て97年ドラフト3位でダイエー(現ソフトバンク)入団。11年現役引退。現役生活15年の通算成績は1452試合出場、打率.282、54本塁打、463打点、85盗塁。

写真=BBM
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