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プロ野球仰天伝説

常識を壊したフォームで最優秀防御率に輝いた桑田真澄/プロ野球仰天伝説194

 

長いプロ野球の歴史の中で、数えきれない伝説が紡がれた。その一つひとつが、野球という国民的スポーツの面白さを倍増させたのは間違いない。野球ファンを“仰天”させた伝説。その数々を紹介していこう。

古武術をヒントにした新投球フォーム



 2002年、巨人の桑田真澄は古武術にヒントを得て、これまで投球フォームの常識とされた「ねじる、うねる、ためる」をすべてしないフォームを考えた。武術においては、この3つをしていたら、相手に動きを予測されてしまうからだ。

 新フォーム習得の理由には1995年に右ヒジ手術後、ねじったり、ひねったりという動作をすると痛みが走るということがあった。

「痛いというのは負担がかかっている状況ですよね。だとしたら、逆にヒジに負担をかけない投げ方があるんじゃないかと考えたんです」と当時、桑田は語っていた。

 コンパクトで一見、大きな動きをすることなく、静かに投げている印象があるが、実際は従来、あまり使わなかった部分を含め、体のさまざまな筋肉を効率よく使っている。

 当初は「タイミングが取りづらいかもしれないが、すぐ慣れる」とも言われたが、結果が出ると手のひら返し。桑田も「周囲もキャンプの時点では『迫力がない』と言っていたのが、結果が出ると『いいフォーム』と言うようになる」と苦笑していた。最終的にはこのフォームで140キロに満たぬストレートを駆使しながら12勝をマーク。さらに防御率2.22でタイトルを手にしてしまった。

 ただ、これも“究極”ではなく、その後、PL学園高1年時のフォームをベースに経験や磨き上げてきたものをプラスしたものに進化させた。

写真=BBM
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