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花咲徳栄、浦和学院は? 南・北埼玉大会展望

 

北埼玉大会の優勝候補は4連覇を狙う花咲徳栄


花咲徳栄・野村佑希


 7月7日に開幕する第100回全国高等学校野球選手権記念 南・北埼玉大会。記念大会となる今夏の選手権大会は、第80回、第90回に続き、埼玉県内を2地区に分けて、夢の甲子園切符を争う。

 北埼玉大会の優勝候補は、史上初の4連覇を狙うAシード・花咲徳栄が最有力だ。四番・野村佑希を筆頭に長打力は群を抜いている。投手陣は右腕・中田優斗を軸に岩崎海斗、松井颯の両右腕と右横手投げの齋藤倖介の布陣に野村が加わった。野村は主将の役目を杉本直希に譲り、プレーに専念できるように。連覇に向けての準備は万端だ。

 とはいえ、2008年の第90回記念大会でノーシードの本庄第一が優勝したときのように、何が起こるか分からないのが夏の大会。初戦の桶川西は技巧派左腕・並木隆幸と本格派右腕・松岡洸希を擁しており、波乱が起こる可能性も。4回戦での対戦が濃厚な春日部東は、高野伊織、佐藤宏樹ら打撃センスのある打者がそろう。乗せたら怖い打線は、今春の県大会で春日部共栄を破るなど、破壊力は十分だ。

 第2シード枠に入ったBシード・栄北は、エース左腕・高木大地を中心に打力は上位から下位まで差がなく、機動力もある。8年ぶりのノーシードとなった春日部共栄は、エース右腕・内藤竜也や渡部太陽、大木喬也の両左腕を中心とした守備は堅い。春の初戦敗退から鍛え直した打撃が実を結ぶか。好右腕・白山智優を擁する本庄第一にもチャンスはある。

 Bシード・上尾はエース右腕の木村歩夢がどこまで粘れるか。打線は小川竜太朗、日野吉彬、村上大智、原翔太ら、好打者が好機をものにし、ロースコア勝負に持ち込みたい。

 第4シード枠を抽選で引き当てたノーシードの滑川総合は20年前の再現を狙う。左横手投げの軟投派・岡崎良介が粘り強く投げられるかが重要。積極走塁が売りの叡明のほか、松山、白岡、鷲宮など公立の有力校がひしめく。

南埼玉大会は5年ぶりの頂点を狙う浦和学院が中心


 南埼玉大会は春季県大会6連覇を遂げ、5年ぶりの頂点を狙うAシード・浦和学院が中心。Bシード・ふじみ野、同・山村学園や、昨秋準優勝の市川越が追いかける展開となりそうだ。さらに今春の県16強のうち13校が南大会のシードに入り、大混戦になることは間違いない。

 浦和学院は右の渡邉勇太朗、近野佑樹、河北将太と佐野涼弥、永島竜弥の両左腕の投手陣が高い完成度を誇る。打線は主軸を担う蛭間拓哉をチャンスで迎え大量得点につなげたい。盈進東野との初戦以降は、公立勢との戦いが続きそう。近年、公立のカベに阻まれてきただけに、Dシード・朝霞、市浦和は勝機を見いだせるか。

 山村学園は、昨夏も経験している2年生エース左腕・和田朋也の出来がカギを握る。初戦、浦和実のエース左腕・英真太郎との好左腕対決が熱い。4回戦は順当なら川越東か。ただ、同ブロックのCシード・市川越は右腕の太賀龍丈と左腕の和田光の2枚看板中心に堅い守備が特徴で激戦必至。準々決勝が大きなヤマになりそうだ。

 ふじみ野と山村国際のブロックは公立勢が面白い。初のシードを手にした山村国際は、川口との初戦に警戒が必要。開幕カードの大宮東−川越西は見もの。所沢商も上位を狙う。

 Cシード・埼玉栄、狭山ケ丘、Dシード・川口市立、聖望学園のブロックは大混戦が予想されるが、プロ注目の右腕・米倉貫太を擁する埼玉栄が投打で一歩リードしている。今春に開校した川口市立はエース右腕・星山祥輝を打線がどれだけ援護できるか。狭山ケ丘、聖望学園は投打にバランスが整う。勢いづいたらどこが上がってきてもおかしくはない。

写真=BBM
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