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週刊ベースボール60周年記念企画

巨人が西鉄を吸収か?/週べ1963年2月18日号【256】

 

 今年、創刊60周年を迎えた『週刊ベースボール』。現在1日に1冊ずつバックナンバーを紹介する連載を進行中。いつまで続くかは担当者の健康と気力、さらには読者の皆さんの反応次第。できれば末永く、お付き合いいただきたい。

野村克也の60本塁打宣言?


表紙は左から巨人城之内邦雄、森昌彦


 今回は『1963年2月18日号』。定価は40円だ。

 巻頭記事で「巨人が西鉄を吸収か」という、ほかの週刊誌の記事について検証している。これは巨人の親会社読売新聞が九州進出を狙っており、この時期、実際に北九州に土地を買っていたことから広がったものだ。
 要は新聞の拡販のため巨人が西鉄を買収するのでは、という話である。

 当時の西鉄球団が観客動員に苦しみ、親会社のお荷物になってきていたのは事実だった。

 記事中には、巨人は吸収ではなく、西鉄をセ・リーグに参入させる方向で動く可能性のほうが高いので、ともあった。

 やや先走る。この63年は、南海・野村克也が当時の日本記録シーズン52本塁打を打ち立てている。150試合制になったことが大きな要因だと思っていたが、ほかにも2つ理由があった。

 1つはこの年から牛革より飛ぶと言われた馬革にボールが変わったこと。そして、もう1つはストライクゾーンの修正だ。これは従来より高めは甘くなるが、左右は厳しくするというもの。かなり打者有利になるのでは、という声が多かった。

 この記事を読んだとき、最初は試合数が増えることもあってホームラン増を狙ったのかと思ったが、実際には、このオフ、来日したデトロイト・タイガースから「日本のゾーンは狭すぎる。ヒットを打てないコースをストライクと言うのはおかしい」と大ブーイングされたことが大きかったようだ。

 前年44本塁打を放った野村に「今年は60本もいけるのでは」と尋ねると「昨年の僕は5月末から打ち出して4月からの1カ月は遊びやった。今年は最初から迷うことなく打っていけたら60本は大いにいけそうやな」と自信たっぷりに答えた。

 阪神小山正明の契約更改は9回目となった2月5日も決裂。フロリダ・キャンプを直前にしながら、完全に泥沼化していた。村山実をはじめ、他の選手からは「小山は勝手過ぎる」と反発の声が上がり始めていたようだ。

 では、またあした。

<次回に続く>

写真=BBM
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