『JABA公式サポーター』が現場で取材を続けてはや1年。その中で3人が感じた社会人野球の魅力、都市対抗の見どころとは――。


『JABA公式サーポーター』の3人。左から成田沙耶加、豊島わかな、田中優美

豊島わかな「大人が大人を応援する姿は美しい」

「昨年の都市対抗の準決勝後、9回にサヨナラ安打を放ったNTT東日本の目黒聡外野手にお話を聞く機会がありました。目黒選手は私と同じ年齢なんですけど、『30代、まだまだやれますよ！』と。

　社会人野球と学生野球の大きな違いは、ベテランと若手が一体となって戦うところ。毎年、生きのいい若手選手が入部してくる中で、目黒選手のような長年チームを支えてきた選手が大事な場面で活躍するところに、社会人野球の魅力というものを感じますね。

　応援を肌で感じることも楽しみの一つです。大人が大人を本気で応援する姿は美しい。応援団の中には「休日返上で練習しています！」という体育会系の方もいらっしゃって（笑）。そんな努力があり、東京ドームのスタンドで輝けるのだな、と。企業独自のカラーや応援歌があるので、好きな企業を見つけて応援に混ざると、より楽しめると思いますよ。

　私が注目するのはパナソニックの片山勢三内野手。3月のスポニチ大会で2打席連続本塁打を見たんです。ルーキーで、しかも四番という重責を背負う中での活躍。大舞台の都市対抗でも何かやってくれるのでは、という期待感がありますね」

成田沙耶加「社会人は純粋に野球を愛する人の集まり」

「高校時代、私は野球部でマネジャーをやっていて、仕事としてプロ野球や高校野球のリポーターをやってきました。でも、社会人野球と接するのは昨年が初めてだったんです。『社会人野球って、どんな人がやっているんだろう？』。そこからのスタートでした。

　球場で選手の皆さんの話を聞く中で感じたのが、純粋に野球を愛する人の集まりだなということ。中には『プロ野球を目指しているわけじゃないんです』という人もいたりして。社会人になり、働きながら、自分の時間を削ってでも野球を続けている。ある意味、高校、大学、プロの選手以上に、野球への思い入れの強さを感じますね。だからこそ、一戦一戦に懸ける必死さが伝わってくるのだと思います。

　そんな私が気になる選手は、東京第4代表決定戦で切符をつかんだ、JR東日本の長谷川拓真内野手です。昨秋のドラフトで指名漏れして、周りの方からは『ボーダーラインだね』と言われているそうですが、それでも明るく前向きにプレーする姿に、メンタルの強さを感じました。苦しみながらもかろうじて出場を決めた都市対抗で、どんなプレーを見せてくれるか楽しみにしています」

田中優美「“つながり”を見つけて感情移入を！」

「私はこれまで、一プロ野球ファンに過ぎなかったんですけど、昨年の都市対抗を見て社会人選手の必死さ、熱さを肌で感じました。試合はもちろんですけど、応援も好きですね。企業によって独自のリズム感があったり、何といっても一体感がすごい！

　女性目線で見る楽しみ方としては『この選手、かっこいいな』からでいいと思うんです。あとは同じ年齢だったり、同郷だったり、身近で接している企業でも。そういった自分との“つながり”を見つけることで、より感情移入できるのでは、と考えています。

　選手を取材する中で感じることは、若いけれどみんな大人ということ。私は25歳で、年下の選手もいるのですが、受け答え一つにしても“社会人”の丁寧さ、“スポーツマン”のさわやかさを感じます。

　私が期待するのは日本通運の北川利生外野手。昨年は準優勝で久慈賞を受賞する活躍。でも、年末に社会人ベストナインを受賞した際には『（決勝で凡退した）都市対抗の最後の打席が忘れられない』と言っていました。大会時には社会人2年目の若者らしさも残っていたんですけど、その表情はまさに中心選手。そんな成長を見られるも楽しみの一つですね」

写真＝BBM
公式サポーター日本野球連盟YouTubeチャンネル