今日からいよいよ後半戦がスタート。パ・リーグは西武が2位・日本ハムに2.5ゲーム差をつけて首位に立つが、5位・ロッテまで勝率5割超えと“混パ”の雰囲気が漂う。果たして、栄冠をつかむのはどのチームになるのか。パ6球団の後半戦キーマンを見ていこう(記録は7月15日現在)。 埼玉西武ライオンズ
10年ぶりの優勝へ前半戦首位ターンを決めたが、やはりリーグ最低のチーム防御率4.30に不安がつきまとう。特に崩壊状態に陥ったリリーフ陣だ。先発で5勝をマークしていた
カスティーヨをクローザーに転向させたが、信頼度には「?」がつく。ならば、後半戦も看板の強力打線を前面に押し出して戦うしかない。そのなかでも開幕から四番に座る山川穂高の爆発力は欠かせないだろう。ここまでリーグトップの23本塁打、70打点。山川を中心とした「ししおどし打線」が強打を発揮し続け、投手陣をラクな展開で投げさせることができれば、優勝は近づいてくる。
北海道日本ハムファイターズ
エースの復権なるか。チームの大黒柱としての活躍が期待されながらも、前半戦は不本意な結果に終わった有原航平。12試合に登板して5勝(2敗)をマークしたが、防御率は5.74と安定感を欠いた。復調を促すために一時的に抑えに配置転換されたが、後半戦は再び先発での起用が決定。「チームに迷惑をかけた分、やってやるっていう気持ちしかない」と本人も巻き返しに静かに闘志を燃やしている。
上沢直之、
マルティネスにエースの座は渡さない。2年ぶりの逆転Vのキーマンとして、本気になった右腕がその力をマウンドで見せつける。
福岡ソフトバンクホークス
ケガ人の影響により不安定な戦いぶりを露呈した前半戦。特に先発陣はリーグワーストの防御率4.12と散々だった。先発陣が安定すればリリーフ陣の負担も少しは和らぐはずだ。その先発陣をけん引すべく、まずは後半戦開幕に千賀滉大が戻ってくる。ここまでチーム2位タイの6勝を挙げているものの、右ヒジや右前腕部の張り、右肩周辺の不安など、すでに4度の登録抹消。これ以上の離脱は許されない。また、右肩関節機能不全で離脱中の
東浜巨も7月9日の
巨人との三軍戦(タマスタ筑後)で実戦復帰し、回復は順調。二軍戦を経て、早ければ7月中の一軍復帰も。彼らが完全復活し先発ローテを守り続けることは上位追い上げの最低条件となるだろう。
オリックス・バファローズ
打線の奮起が欠かせない。盤石の救援陣を擁しているとあって、試合中盤までにリードを奪えば勝算は立つ。それだけに、序盤に援護をしたいところ。その打線のカギを握るのがロメロだ。前半戦チームトップの14本塁打を放つ一方で打率.228と精彩を欠いた。打順は四番・
吉田正尚の前後を打つことが多いだけに、ロメロが復調すれば、吉田正との勝負も増えてくる。前半戦は吉田正との勝負を避けて四球を与えるシーンも多々あっただけに、背番号9の奮起が得点力アップに直結するのは間違いない。
千葉ロッテマリーンズ
不動の一番として攻守走でチームをけん引してきた
荻野貴司が、ケガで長期離脱を強いられた。その穴を埋められる人材が後半戦のキーマンとなる。筆頭は加藤翔平だ。身体能力抜群のスイッチヒッターはバットが湿りがちで、外野のレギュラー争いで後れを取っていたが、二軍戦では打率.392をマークするなど格の違いを見せつけてきた。今季から背負う背番号「10」の期待に応える活躍を見せることができれば、チームはさらに上昇していくはずだ。
東北楽天ゴールデンイーグルス
エース・則本昂大の復調なくして楽天の巻き返しはない。前半戦は悪夢の5連敗もあり、ここまで14試合に登板して5勝8敗と黒星が先行している。ただし、一時は5点台にまで悪化した防御率は3.67まで持ち直した。ここまで4完投(2勝2敗)と、長いイニングを投げるという意味で先発の役割は果たしている。体の張りにより7月6日に登録を抹消されたのは気掛かりだが、オールスター休みと重なったことが幸いした。まだまだ上位の背中は遠いが、魂のエースがチームをけん引する。
写真=BBM