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球界デキゴトロジー/7月19日

若虎・桧山進次郎、弾丸ライナーで一発100万円(1993年7月19日)

 

右から桧山、優秀選手賞の巨人松井秀喜ヤクルト真中満


 プロ野球の歴史の中から、日付にこだわってその日に何があったのか紹介していく。今回は7月19日だ。

 1993年、当時一番ホームランが出にくい球場と言われた福岡ドームで初めて行われた「ミサワホーム・フレッシュオールスター」。
ヒーローはいきなり初回に飛び出した。

 1回裏、大島公一(近鉄)の二塁打で1点を先取した全ウエスタンは、なおも無死二塁で阪神の2年目、三番・桧山進次郎が打席に入った。

 立ち上がり不安定だった全イースタンの先発・門奈哲寛(巨人)が投じた2球目、内角高めのストレートを思い切り振り抜いた打球は、あっと言う間にライトスタンドに突き刺さる2ラン。
 さらに2打席目もライト前に運び、4打数2安打2打点で全ウの勝利に貢献(6対4)。賞金100万円のMVPに選ばれた。

「上(一軍)では、打ってやろうという気持ちが強すぎて、バットが振れなかったんです。今日は勝負どころで打てばMVPもいけると思ったんで、とにかく思い切ってバットを振り抜くことを考えていました」
  
 開幕は一軍ベンチ入りを果たした桧山だが、この時点で31試合、63打数10安打2本塁打の10打点、打率.159。この試合の前日、この年3度目の二軍降格を言い渡されていた。

「賞金ですか? 家賃にあてますわ。ギリギリの生活でしたからね」

 と桧山。前年オフ、寮を出て西宮市内の家賃17万円のマンションに引っ越していたという。
 
 92年、亀山努新庄剛志八木裕ら若手打者の活躍もあって2位に躍進した阪神だが、93年以降は暗黒時代に突入。桧山を四番に据えるなど、若手にチャンスを与えながらも、壁を突き破る選手がなかなか出てこなかった。

 ベンチはチャンスを与えながらも我慢できない。選手は与えられたチャンスを生かそうと意識し過ぎて萎縮する。
 申し訳ないが、いまの阪神に似ている気もする。

写真=BBM

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週刊ベースボール編集部

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