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楽天の若き一番・田中が躍動!パ6球団の一番打者事情

 

打線に勢いをつける役割を存在である一番打者。文字どおり、リードオフマンが先頭に立って引っ張っていけるチームは強い。シーズンも終盤に差し掛かりつつあるが、パ6球団の一番打者事情を見ていこう(記録は7月22日現在)。

東北楽天ゴールデンイーグルス



 守備固め、代走要員だったスイッチヒッターが2年目のシーズン、見事にブレークを果たした。開幕当初は打撃の調子が上がらず、二軍降格も経験。それでも戻ってきた5月末からスタメン、そして一番に定着した。先発出場した43試合のうち29試合で一番で起用され、打率.287、出塁率.353。7月21日の西武戦(メットライフ)では2点ビハインドの8回一死満塁の好機で右打席に入ると、起死回生の逆転満塁本塁打を放った。「一番」の規格に収まらない男が打線のチャンスメーカーとポイントゲッターを兼務している。

埼玉西武ライオンズ


西武・秋山翔吾


 また1つ、金字塔を打ち立てた。秋山翔吾が7月21日の楽天戦(メットライフ)でパ・リーグ記録を更新する536試合連続フルイニング出場を果たした。試合の最後までグラウンドに立ち続けられる選手でありたい――。それが背番号55の野球哲学の1つだ。首脳陣から勝利の行方を託される存在。そのためには事前の準備にしっかりしなければいけないし、結果が出なければ試合後でも打ちこみに励む。“連続フルイニング出場”は秋山を高みにのぼらせる記録だ。昨季、初めて首位打者を獲得し、今季も一番に座り続け、柳田悠岐ソフトバンク)、近藤健介日本ハム)とハイレベルなリーディングヒッター争いを続ける。とにかく、シーズン最後までフルで一番として試合に出続け、タイトル、そして10年ぶりの優勝という栄冠をつかみ取る。

北海道日本ハムファイターズ


日本ハム・西川遥輝


 チームの逆転Vのキーパーソンの1人が、開幕から一番打者を任されている西川遥輝だ。誰もが認める天才的なバッティング、類まれなスピードで不動のレギュラーではあるが、前半戦は苦しんだ。盗塁数と出塁率こそ及第点だが、打率は.250前後とリードオフマンとしては物足りない数字。そんな苦境を打開すべく試合後には必ず居残りで打撃のチェックを入念にし、いつも球場を出るのはほぼ最後。そんな練習の虫が誰よりも後半戦での巻き返しに燃えている。西川が塁に出れば何かが起こる。悩める背番号7の完全復活がいまは待たれる。

福岡ソフトバンクホークス


ソフトバンク・上林誠知


 さまざまな打順を任される難しさを抱えながら、上林誠知は果たすべき役割を全うしようと必死だ。6月29日のロッテ戦(ヤフオクドーム)からは7月10日の1試合を除き、一番に入っている。一番打者として自身に求められているのは「打線を勢いづける」こと。7月16日の西武戦(ヤフオクドーム)ではプロ初となる先頭打者弾を放つと、火のついた打線は球団最多タイとなる1試合8本塁打のお祭り騒ぎとなった。なかなかチームの調子が上がらず連敗で空気も重くなる中、若鷹はそのバットでモヤモヤを吹き飛ばせるか。

オリックス・バファローズ



 今季は宗佑磨を開幕から一番に固定してきたが、5月に故障離脱以降は流動的に。その中で、6月28日から大城滉二が一番に固定されている。同期間での第1打席の成績は7安打で打率.500。盗塁も2つ決め、足でもチームを鼓舞。盗塁死や7月21日のロッテ戦(ZOZOマリン)では初回に二走から遊ゴロ一塁送球間に三塁を狙うも走塁死と、確実性は欠ける部分もあるが、守備では二塁、三塁に加え左翼、中堅と外野もこなせるとあって、日替わりオーダーを組む“猫の目打線”で重宝される存在。当面は『一番・大城』が続きそうだ。

千葉ロッテマリーンズ


ロッテ・藤岡裕大


 開幕から不動の一番としてチームを引っ張ってきた荻野貴司が、前半戦終了直前にケガで長期離脱を強いられた。代わりに斬り込み役を託されたのが、主に二番を任されていたドラ2ルーキーの藤岡裕大。ときに積極的に、ときにじっくりと球を見極めることができ、自慢の脚力を生かして果敢に盗塁を狙う場面も徐々に増えている。一番に座ってからバットは湿りがちだが、誰もが認める斬り込み役としての結果が残せれば、自然と新人王のタイトルが転がり込んでくるだろう。

写真=BBM
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