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阪神メッセに今季5連敗。なぜDeNAは手も足も出ない?

 

7月22日の試合(横浜)では初回にソトが高めのカーブを左翼スタンドに運んだが、それ以外はほとんどチャンスをつくれなかった。メッセにどうストレスを与えていくかがカギとなりそうだ


 またしてもDeNAは天敵メッセンジャーにやられた。試合後、今後の対応策を問われたラミレス監督は「今それは考えたくない」と語り、「明日、対戦があるわけではないので、目の前の試合について考えたい」と肩を落とした。

 7月22日の阪神戦(横浜)での敗戦で、今季5戦全敗。メッセは10勝のうち、実に5勝をDeNAから挙げていることになる。38イニングを投げ自責点わずか4、防御率は0.95とカモにされてしまっている(ちなみに去年は先発2試合で1勝1敗、防御率3.00)。

 来日9年目となる助っ人右腕は、今年になって何かヒントをつかんだのだろうか。メッセ本人は「イイネ。自分でも何でなのか分からないけれど、たまたまDeNA戦でいい投球ができているというだけだよ。こんなピッチングをどのチーム相手にでもしたいね」と上機嫌だ。

 当然、DeNA打線も手をこまねているわけではない。毎試合、小川博文打撃コーチを中心に対策を練っており、試合中のコメントからも苦心が伝わってくる。

●4月5日横浜/「ボールを長く見るためにも強引にいかず、逆方向を狙う意識」

●5月3日甲子園/「コンパクトにスイングしてセンター方向に打ち返す」

●5月15日甲子園/「中盤以降は、コースか球種のどちらかを絞って攻撃していきたい」

●6月26日横浜/「少しゾーンを上げて、低めのボール球をしっかりと見極める」

●7月22日横浜/「低めのボールを見極めるためにも目付けを高めに置く。追い込まれる前に高めのボールを積極的に打ちにいく」

 ここで「なぜメッセを打てないのか?」の答えを出すのは難しいが、一つ推測するならばメッセに気持ちよく投げさせてしまっているように見える。ファーストストライクから積極的にスイングするのがDeNA打線の長所であり、最大の武器だ。しかし、積極的な攻撃と単調な攻撃は、紙一重。初球をたたいての凡打が相手をリズムに乗せてしまっている場面もあるだろう。

 7月3日の中日戦(甲子園)、メッセは6回途中で今季ワーストとなる10失点で降板している。立ち上がりから全体的にボールが高めに浮き、変化球も決まらないなど調子がよくなかったとはいえ、狙い球を絞る中日打線に浮いたカーブを痛打され、得意の緩急が使えなくなった。試合後は、「イライラする試合だったね」と吐き捨てた。

 相手が嫌がることをするのは勝負の鉄則。DeNA打線が今季のメッセと相性が悪いことは数字を見れば明らかだ。であれば6度目となる対戦は、ダメ元でガラリと発想転換させて臨むことも必要になってくるだろう。

文=滝川和臣 写真=高原由佳
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