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球界デキゴトロジー/7月30日

島野育夫監督代行率いる中日が9点差の大逆転勝利(1995年7月30日)

 

試合後の島野監督代行。仏頂面だが、手にはウイニングボールをしっかり


 プロ野球の歴史の中から、日付にこだわってその日に何があったのか紹介していく。今回は7月30日だ。

 楽天平石洋介監督代行になって好調を維持している。
 過去、監督代行の時期は両極端だ。そのままどっぷり泥沼にはまっていくか、選手が刺激を受け、奮闘を見せるか。

 1995年、中日3人目の指揮官として閉幕まで務め、25勝29敗の島野育夫監督代行は、シーズン当初の高木守道監督が13勝26敗、二番目の徳武定祐監督代行が12勝25敗を考えれば、まず健闘の部類だろう。


「まさか9点差をひっくり返すとは思わなかった。みんなにお礼を言わないと」
 1995シーズン、“監督初勝利”を挙げた島野監督代行の言葉だ。

 7月29日に就任し、翌30日の広島戦(広島市民)だった。中日は9点差の劣勢を跳ね返し、勝利。9点差以上の逆転勝利は33年ぶり5度目だった。

 中日は5回を終えて0対9と大差をつけられたが、7回に7点、9回に2点を取って追いつくと、延長12回表、立浪和義の決勝打で勝利した。
「みんなの勢いが僕に打たせてくれた。誰も最後まであきらめなかったですからね」
 立浪は謙虚に語りながらも胸を張った。

 一方、4時間42分の長い試合に敗れ、ぐったりの広島・三村敏之監督は、この日の午前中、同じ広島市民球場で行われた高校野球広島大会決勝が頭にあったという。
 
 初回に5点を先制した崇徳高が宮島工高に6点を奪われ、その後、逆転したものの、7回に大量点を奪われ、あと一歩で甲子園を逃したゲームだ。
「あれも7回だったね。何か運命を感じるよ」と三村監督。

 中日は最下位から島野監督代行で5位に上がったが、おそらく島野監督代行に目先の勝利は関係なかった。すべては翌年からの星野仙一監督のためである。

写真=BBM
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