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セ・リーグ6球団“新戦力”補強事情は?

 

2018年シーズンの補強期限が7月31日で終了した。上位進出のために各球団は新外国人、トレードなどで弱点をカバーする戦力を積極補強。ここではセ・リーグ6球団の2月1日、キャンプイン以降の“新戦力”を整理してみた。

広島カープ



【トレード】
曽根海成内野手

【新外国人】
ヘルウェグ投手

【支配下昇格】
フランスア投手

 チームにとって大きかったのは、何といっても5月19日に育成から支配下選手に昇格したフランスアだ。一軍昇格後、先発では結果が出なかったが、リリーフに回ると適性を発揮。持ち前の速球が生きるようになった。7月16日から30日までの期間で6ホールドをマーク、いまや、中崎翔太へとつなぐリリーフ陣の肝を担う存在となっている。1イニング限定でなく、イニングまたぎもしながら、それでも連投できるスタミナも魅力だ。このほか、新外国人のヘルウェグは、ファームで好投を続けており、ジャクソンの復調具合次第ではチャンスも。トレードで加入した曽根海成は、将来のセカンド、ショートのレギュラー候補として期待がかかる。


東京ヤクルトスワローズ


ヤクルト・ウルキデス


【日本球界復帰】
青木宣親外野手

【新外国人】
ウルキデス投手

【支配下昇格】
大村孟捕手
田川賢吾投手
古野正人投手

 春季キャンプ途中に支配下登録されたのが、7年ぶりの日本球界復帰となった青木宣親だ。今季は頭部死球による一時離脱はあったものの、それ以外はほぼフル出場と元気な姿を見せている。打撃の調子も上昇中で、打率3割以上をキープ。上位打線でその存在感を発揮している。外国人では故障がちなアルメンゴが退団し、新たにウルキデスが加わり、すでに一軍デビューを果たしている。捕手の大村孟はバッティングに期待。故障を乗り越えた田川賢吾、古野正人の両右腕は、先発ローテの谷間やセットアッパーとして力を発揮したいところだ。

読売ジャイアンツ


巨人・マルティネス(左)、鹿取義隆GM


【日本球界復帰】
上原浩治投手

【支配下昇格】
S.アダメス投手
C.C.メルセデス投手
J.マルティネス投手
松原聖弥外野手

 オープン戦期間中に、上原浩治が10年ぶりに復帰。すぐにブルペン組に組み込まれたが、キャンプを経ないでの実戦だったため、本来のパフォーマンスとは程遠かった。それでも日本人初の100勝100セーブ100ホールドを達成するなど、見せ場を作った。球宴による中断以降は先発、リリーフともに盤石とは言えず、故障などで人材を欠いたこともあり、S.アダメス、C.C.メルセデスを立て続けに支配下昇格させた。先発のメルセデスはデビュー2戦で2連勝を飾るなど、早くも一軍の戦力として欠かせない存在となっている。野手ではJ.マルティネス、松原聖弥が期限ギリギリに支配下登録され、7月27日の中日戦(東京ドーム)に二塁で先発したマルティネスは、第1打席でプロ1号本塁打を放つなど、巻き返しのキーマンとして期待されている。

横浜DeNAベイスターズ



【トレード】
赤間謙投手
伊藤光捕手

【新加入】
中後悠平投手

【支配下昇格】
田村丈投手

 シーズン序盤から中継ぎ投手の負担が大きく、ブルペンの疲労を軽減させるために、元ロッテで米マイナーを自由契約となっていた左腕・中後悠平を獲得。左サイドから繰り出されるキレのあるスライダーを武器に、対左打者のワンポイントとして貴重な戦力となっている。ほかに開幕後に加入した赤間謙、田村丈の2投手も中継ぎ投手だ。赤間と一緒にオリックスから電撃トレードで移籍した伊藤光は「打てる捕手」としてチームに迎えられた。後半戦からは早速レギュラー捕手に定着。投手の良い部分を引き出そうと、日々勉強しながら奮闘中だ。期待されるバットでもすでに1本塁打を放つなど、チームの勝利に貢献している。

阪神タイガース


阪神・ナバーロ


【トレード】
岡本洋介投手
飯田優也投手

【新外国人】
ナバーロ外野手

【支配下昇格】
歳内宏明投手

 3月中旬、榎田大樹とのトレードで西武から移籍した岡本洋介は、中継ぎとしてロングリリーフもこなすことができるなど貴重な存在となっている。6月に加入したナバーロは、ロサリオの打撃不振により緊急獲得した選手。シュアな打撃をする左打ちの助っ人で、勝負どころでもしっかりとしたパフォーマンスができ、現在では打線の中軸として欠かせない。7月26日にソフトバンクからトレードで加入した飯田優也は、今季不安定な中継ぎ左腕をカバーする役割を期待されている。

中日ドラゴンズ



【新外国人】
ロドリゲス投手

【支配下昇格】
木下雄介投手
R.マルティネス投手
福敬登投手

 育成から3投手を昇格させたほか、左腕のロドリゲス投手を新規獲得した。木下雄介は開幕前に昇格し、中継ぎで8試合に登板。一軍定着には至らないが、回またぎもこなせる能力を示した。R.マルティネスは、4月中旬に支配下に。先発ローテーション(不規則だが)の一角を担ったが、スタミナ不足が難点。昨シーズンに左肩痛で育成契約となった福敬登は、7月中旬に支配下へ再登録された。現在、一軍の中継ぎ左腕は岡田俊哉岩瀬仁紀しかおらず、2人の負担軽減のためにも中継ぎでの奮闘が期待されている。7月末にはロドリゲスを新たに獲得。陽気なカリビアンで、こちらも中継ぎ左腕だ。球の出どころが見にくいフォームから、150キロ近い速球を投げ込む。新規補強はいずれも投手で、チーム防御率4.40の改善を図る。

写真=BBM
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