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ホークス80年

20世紀を締めた日本シリーズ“ON決戦”の興奮/ホークス80年「栄光の歴史06」

 

1938年3月1日、南海野球株式会社が設立されたから80年が経過した。47年にチーム名が南海ホークスとなり大阪で黄金時代を築いたチームは現在、九州・福岡の地でダイエーを経て、ソフトバンクホークスとして栄華を誇っている。プロ野球史に燦然と輝くホークス。その栄光の歴史を週刊ベースボールONLINEで振り返っていこう。

巨人V9時代の僚友が率いるチームが頂上決戦


2000年の日本シリーズで実現した王ダイエー、長嶋巨人による“ON決戦”


 1999年に26年ぶりのリーグ優勝、35年ぶりの日本一を達成したホークス。20世紀最後、ミレニアムイヤーとも言われた2000年。王貞治監督の「単年での優勝はあっても連覇は難しい。連覇を目指す」という目標でスタートした。しかし、先発では前年チーム最多の11勝をマークしたエース・工藤公康がFA権を行使し巨人に移籍。開幕直後に2年連続開幕投手を務めた西村龍次が右ヒジ痛、4月中旬に捕手・城島健司が右手人さし指の骨折でリタイアと戦力的にも苦しいスタートだった。

 5月終了時、貯金3の3位。6月は中盤からエンジンが掛かり始め2位に浮上。7月は西武オリックスとの首位争いを演じる。8月、前半の10試合で8勝2敗の好成績で首位固めをしたが、その後3勝11敗と大失速。首位を奪われたライバル・西武に3ゲーム差をつけられ連覇にも黄信号が灯った。9月に入るとまた調子を取り戻し、天王山と言われた8日からの西武3連戦(西武ドーム)。初戦、代打・坊西浩嗣の決勝打でものにすると、2戦目は坊西の同点ソロ、柴原洋の決勝弾で連勝。3戦目、松中信彦松坂大輔から逆転3ランを放ち、すべて逆転の3連勝。西武を突き放しマジック15が点灯。9月1日から35年ぶりの9連勝をマークし、10月7日に連覇を成し遂げた。

 松中が打率.312と初の3割、33本塁打、106打点とチーム三冠をマークしMVPを獲得。小久保裕紀も31本塁打、105打点と左右の主砲がチームを引っ張った。一方、投手陣だがチーム最多勝は、先発組の永井智浩若田部健一、リリーフ組の篠原貴行吉田修司の9勝。史上初めて2ケタ勝利不在の優勝チームとなった。篠原、吉田の中継ぎ左腕とリーグ新記録となる35セーブを挙げタイトルを獲得したストッパーのペドラザがチームを支えた。

 この年のセ・リーグの覇者は長嶋茂雄監督率いる巨人。世紀末の日本シリーズで「ON対決」が実現することになる。

 長嶋は立大から58年、王は早稲田実高から59年に巨人に入団。長嶋が引退する74年まで「ON」として、巨人不滅の9連覇の立役者となり、プロ野球人気を不動のものにした。その2人が監督としての対決ということで大いに盛り上がった。

 またオールドファンには「平成の巌流島の決戦」と思った人もいただろう。戦前、巨人には水原茂三原脩というスタープレーヤーがいた。戦後、47年に三原が巨人の監督となり49年に優勝。その年、水原がシベリア抑留から帰国。すると2リーグ制となった50年は三原が総監督となり、水原が指揮を執ることとなった。三原は現場の指揮権を剥奪された形となり、翌51年、福岡にある西鉄ライオンズの監督に就任。野武士軍団を作り上げ、56〜58年の日本シリーズで水原率いる巨人を撃破し3連覇した歴史がある。奇しくも福岡で指揮を執る王監督が古巣・巨人、それも現役時代僚友だった長嶋監督と対戦することがだぶる。

2連勝の好スタートも……


 10月21日に東京ドームからスタートした日本シリーズ。通常であれば第3〜5戦は24〜26日(火〜木)に福岡ドームで行われる予定だが、「日本脳外科学会」の開催が3年前から決定しており、移動日なしの23日(月)が第3戦。24、25日が休養日となり26、27日(木、金)が第4、5戦。移動日なしの28日(土)に第6戦が行われるという変則日程となった。

 第1戦、城島、松中の一発が出て3対3で迎えた9回表、代打・ニエベスの決勝弾などが飛び出し5対3で勝利すると、第2戦は0対3で迎えた5回表、7本の長短打を浴びせ6点を取り逆転。7回には城島の2試合連続アーチで加点し8対3で2連勝と好スタートを切る。

 第3戦は2回表に3点を取られ先制されるが、その裏、城島の3試合連続弾をきっかけに3点を挙げ同点。しかし3回表に4点を取られ勝ち越され3対9の敗戦。この試合では小久保が負傷しリタイア。2日空けた第4戦はニエベスの一発のみに終わり1対2。第5戦は巨人のルーキー・高橋尚成の前に2安打、12三振を喫し完封負けと打線が沈黙。王手をかけられた第6戦は先制したものの、好調な巨人打線が爆発し3対9で敗戦し、連続日本一はならなかった。第1戦から3連発の城島は第6戦でも本塁打を放ち、シリーズタイ記録となる4本塁打で敢闘賞に輝いた。

 20世紀最後のプロ野球は「ON対決」というファンにはたまらない対決で締めくくられた。

<毎週金曜公開予定>

写真=BBM

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週刊ベースボール編集部

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