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都道府県別ドリームチーム

【秋田県】個性を極めた実力者が投打の主役/都道府県別ドリームチーム

 

いよいよ第100回の大きな節目を迎える夏の甲子園。その歴史にこそ届かないが、80年を超えるプロ野球を彩ってきた選手たちによる出身地別のドリームチームを編成してみた。優勝旗が翻るのは、どの都道府県か……?

主砲は“オレ流”の三冠王



“かまくら”や“なまはげ”など、雪と縁が深い独自の文化で知られる秋田県。冬の寒さも厳しく、平野部も雪深いが、フェーン現象の影響を受けやすく夏は高温となることもある。梅雨の季節に晴れ間が広がることが多い異色の県だが、通年での日照時間は短く、さらに雪による適度な湿度が“秋田美人”を生む秘訣だとも。

 ただ、その愛くるしさで世界に知られているのは、秋田は秋田でも“秋田犬”。国の天然記念物でもあるが、もともとはマタギとともに山岳部でクマなどの狩猟に従事していた猟犬。犬が人間の言葉で会話する圧倒的なオリジナリティーでコアな固定ファンがいるマンガ『銀牙』の主人公も秋田犬だ。

 そんな秋田県出身のプロ野球選手を象徴するのは“オレ流”落合博満だろう。史上最多となる3度の三冠王に輝いた強打者に並び立つのが“最強のサブマリン”山田久志だ。

【秋田ドリームチーム】
一(遊)後藤光尊オリックスほか)

二(中)滝田政治(大映ほか)

三(三)石井浩郎(近鉄ほか)

四(二)落合博満(ロッテほか)

五(捕)中嶋聡日本ハムほか)

六(左)五井孝蔵(近鉄)

七(一)渡辺誠太郎阪神ほか)

八(右)小西秀朗(国鉄ほか)

九(投)山田久志(阪急)

 山田を筆頭に投手陣は充実している一方、打線は層が厚いとは言えず、さらには落合と同様に一塁をメーンに守った好打者が石井浩郎。一塁手として94年に打点王となった近鉄“いてまえ打線”の勝負強きスラッガーで、引退後は国会議員に転じた変わり種でもある。

 ここでは落合が若手時代の二塁へ、石井がたびたび守った三塁へ。県勢きっての強打者2人を押し出したのが投手の渡辺誠太郎だ。2ケタ勝利もあった右腕だが、野手としては一塁しか守らなかった。

 そんな内野陣を支えるのが遊撃にいる後藤光尊で、内野すべてに外野も守った攻守走のユーティリティーが打線のリードオフマン。続く二番の滝田政治も外野のほか一塁も多く守り、サイクル安打も達成した好打者だ。

 三番から石井、落合と続き、後藤と滝田の出塁が得点のカギになりそうだ。左翼にいる五井孝蔵も初登板初完封でデビューした投手だが、1年だけ正三塁手としてプレーしたこともある“二刀流”で、外野の経験もあることから三塁の延長という意味で左翼に。

 右翼に据えた小西秀朗は打撃に苦しんだ外野手で、五井、渡辺という投手たちに八番打者として続く。五番打者として石井、落合とクリーンアップを形成するのは中嶋聡。阪急を知る貴重な選手として2015年まで現役を続けた司令塔と、阪急黄金時代のエースだった山田とのバッテリーだ。

最強のサブマリンが率いる個性的な投手陣


阪急・山田久志


 山田と三本柱となるのが現役の石川雅規ヤクルト)と攝津正ソフトバンク)。山田と石川の左右両輪で、攝津をクローザーに配したほうが長期戦にも安心かもしれない。

 スターターは通算23勝ながら完全試合を達成している佐々木吉郎(大洋)、21勝を挙げた64年から90打席連続無安打のプロ野球記録を樹立した嵯峨健四郎、ともに20勝を挙げたサイドスローの石戸四六(サンケイ)と工藤幹夫(日本ハムほか)に、村田辰美(近鉄ほか)と小野和幸中日ほか)というヒゲの左右両輪もいて、かなり個性的だ。

 守備に不安が残り、打線の機動力も万全とは言えないが、山田を中心としたバッテリーと落合のいるクリーンアップは迫力たっぷり。投打の軸を中心にした野球で金星を狙う。

写真=BBM
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