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守備でも進化を見せる阪神・糸原。グラブにその秘密があった!

 

打撃だけでなく守備でも進化を見せている糸原


 阪神の一番打者として定着し、日々進化を見せチーム最多の99安打を放っている糸原健斗。その力強いスイングが印象に残る選手だが、守備のほうでも成長を続けている。

「昨年プロで1年間プレーをして、使っていたグラブが大きく扱いづらいな、と感じました。それで同じメーカーのグラブを使っている(福留)孝介さんにいろいろとアドバイスをもらい、同じ革を使用しようと思いました」とオフにグラブ変更を決意した。

 名手・福留が使用するグラブの革は、手になじみやすいしっとりとしたタッチ感のあるプレキシーエリートレザー(ミズノ社)。また、アマ時代から、昨年まで同じ大きさのグラブを使っていたが「プロの打球のスピードについて行けない」と感じグラブの大きさを0.5センチ小さくした。その理由は「プロの打球は速いので、それを扱うにはやはり、手で捕っているような感覚であることが大事だ」と。

 キャンプイン直前に届いたグラブをはめた瞬間「これだ!」、何とも言えない満足感あったという。このグラブのもう一つの特長は、土手部分のヒモを抜いていること。「手のように使いたいので、ヒモを抜き土手の芯(綿)も抜いてあります」。打球を捕球後の送球の際、土手部分の芯を抜くことで、打球や送球が土手に当ることなくスムーズにグラブに入ってくるというが、これは、名遊撃手だった久慈照嘉守備・走塁コーチのアドバイスだ。

 ポケット位置は、中指の付け根、薬指の付け根辺り。理由は、左手を真っすぐ下に落とすと、手のヒラがゴロ打球に対し、必然的に正対するからだ。また、スムーズにグラブの中に入りやすくするため、小指の部分を外側へ手で広げているという。

「今のところ、このグラブ以外考えられない」という糸原。95試合に出場し失策は8つだが、自分の感覚とピタリとあったグラブと出合ったことで、守備でもさらに向上していき、攻守で阪神に欠かせない存在となっていく。

文=椎屋博幸 写真=石井愛子
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