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U-18侍ジャパンリポート

スカウトの評価急上昇!タフネス右腕、夏の甲子園優勝投手・柿木蓮

 

侍ジャパンU-18代表の柿木(大阪桐蔭3年)は立大との練習試合で、7番手で救援登板。1イニングを三者連続空振り三振と、圧巻の投球内容を見せた


 これが、甲子園優勝投手の風格である。侍ジャパンU-18代表は8月27日、立大と練習試合を行い3対1で勝利し、対外試合初戦を飾った。この日は「7回制」の特別ルール(2イニングはタイブレークの練習)。投手は1イニングごとにつないでいったが、存在感を示したのは7番手の大阪桐蔭・柿木蓮だった。

 柿木は3人の打者からいずれも空振り三振を奪い、圧巻の投球内容で試合を締めている。

 ノーワインドアップから勢いよく投げ込むストレートの最速は、NPBスカウトのスピードガンで145キロ。数字以上に手元での伸びが抜群であり、大学生を相手でも良い意味で“見下している”オーラさえ感じた。スライダーでカウントを整え、追い込んでからは鋭く落ちる変化球も冴え渡っていた。

 甲子園が柿木を変えたと言っていい。済美との準決勝で155球を投げて2失点完投すると、先発連投となった金足農との決勝でも112球の2失点完投で胴上げ投手。沖学園との2回戦では自己最速を更新する151キロを計測するなど、夏の甲子園にピークを持ってきた自己管理能力は驚きの言葉以外に見つからない。

 先発、救援に1回戦から決勝まで全6試合に登板したが「疲労? 全然です。余裕です」と、この日も猛暑日だったが、柿木は涼しい顔。自身は大会で計512球であり「(金足農の準優勝投手の)吉田(輝星)はもっと投げていますから(881球)」と、甲子園の激闘直後とは思えないすがすがしい表情を見せていた。前日の練習でも外野で一人黙々とダッシュを繰り返して体のキレを維持。相当の自覚がなければできない行動だった。

 国際大会における使用球は、日本での公式戦公認球とは異なる。ほかの投手陣が対応に苦しむ中でも柿木は「縫い目が低くて、すべりやすい。でも、昨年12月の(大阪選抜として出場した)台湾遠征で経験しているので、自分は慣れている」と前向きに語った。

 柿木の仕事はマウンドだけではない。

「練習から野手とピッチャーは分かれている。守備中、ベンチにいる野手は少ないので、投手陣で『声を出していこう!!』」と、言っています」

 自ら盛り上げ役を買って出て、ムードを作り上げる努力。この姿勢に大阪桐蔭の同僚で、自チームに続いて主将の中川卓也も「チーム力が大切。よく声を出してくれた」と感謝した。

 NPBスカウトの間でも評価急上昇中で「疲労が残っているはずだが、あれだけ投げられるのはすごい」と話した。「体力も素材の一つ」と語るプロ関係者もいるだけに、柿木のタフネスぶりは一層、クローズアップされそうだ。

文=岡本朋祐 写真=川口洋邦

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週刊ベースボール編集部

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