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セ・リーグ6球団“開幕投手”の現在地は?

 

先発ローテーションの軸として、チームのエースとして開幕投手に指名された男たち。期待に応えて先発ローテをけん引しているのか、はたまた期待を裏切る形になってしまっているのか。セ・リーグ6球団の2018年開幕投手の現状を見ていこう。

読売ジャイアンツ



「今日は4対0で勝ち切らないといけない試合。みんなにムダな仕事をさせてしまって申し訳ない」と菅野智之が唇をかんだのは、9月1日の中日戦(ナゴヤドーム)のことだ。7、8月は約1カ月間勝ち星から見放されていたエースだったが、この日まで2戦連続で完封勝ちしており、この日も6回までは25イニング連続無失点を継続させていた。しかし……。4対0と4点リードの7回に4失点で降板。チームも延長12回の末に引分けに。昨季は17勝でタイトル総なめの右腕だが、今季はここまで11勝と、なかなか勝ち切れないでいる。

阪神タイガース



 敵地で宿敵・巨人を相手に7回1失点で開幕勝利を飾ったメッセンジャー。3、4月の月間MVPに輝く。その投球スタイルは豪腕から多彩な変化球を使った「巧みな投球術」に変化している。それでもここまで11勝7敗と、打線の援護に恵まれない試合もありながら4つの貯金を作り出している。8月29日のヤクルト戦(甲子園)では外国人投手歴代最多タイの8年連続規定投球回をクリア。また外国人投手史上4人目となる1500投球回も達成。阪神のエースとして今季もチームをけん引している。

広島カープ



 広島の開幕投手を務めた野村祐輔は、連勝スタートしたものの、背中に張りが出て4月27日に登録抹消、ファームでの打席で右手に死球を受けて復帰が遅れるなど、苦しいシーズンとなった。6月23日の阪神戦(甲子園)で復帰を白星で飾ると、その後は先発ローテーションを守って、復帰後は4勝2敗(9月2日現在)とまずまず。シーズン勝利数は6で2ケタ勝利はやや難しい状況になりつつあるが、今後どこまで勝利を積み重ねられるか。

東京ヤクルトスワローズ


ヤクルト・ブキャナン


 来日2年目にして開幕投手に指名され、3月30日のDeNA戦(横浜)では6回1失点の好投でチームを勝利へと導いた。小川泰弘不在の間はエースとしての役割を担った。ここまでは9勝9敗と五分の成績で、防御率3.79。7月は2勝2敗、8月は1勝3敗と夏場に入りやや失速。9月こそは、CS争いをするチームを勝利に導く投球を見せたい。

中日ドラゴンズ



 球団最年少の20歳で開幕投手を務めた小笠原慎之介は、9月中に左ヒジの遊離軟骨除去手術へ踏み切る。今季は東海大相模高の先輩である巨人・菅野智之に投げ勝ち、プロ初完封勝利を挙げるなど、若き左腕エースとして着実に成長してきたのだが……。まだクライマックスシリーズへの出場権獲得をあきらめていないチームにとっては、左腕の離脱(もちろん、今季中の復帰は絶望)は相当な痛手。1年目のオフにも同様の手術を行った若き左腕には、万全な状態で来季を迎えることが求められている。

横浜DeNAベイスターズ



 2年連続となる開幕投手に指名されるもチームに開幕戦白星をもたらせず、シーズンでも周囲の期待を大きく裏切った。立ち上がりが安定せず、味方が得点したあとに失点しまうケースが多く周囲に与える印象も悪い。76イニングで16本塁打を浴びるなど、被本塁打が高かった。今季は13試合に先発したが一軍KO、二軍再調整、一軍KOを繰り返し、シーズン終盤から中継ぎで起用。ショートイニングではキレのあるボールを投げ込んでおり、この経験を来季以降につなげたい。

写真=BBM
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