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DeNA 山崎康「チームは一つになっている。僕もラストスパートです」

 

登板数も50試合に近づいており、疲労がないと言ったら嘘になる。残り22試合、守護神はチームの勝利のため右腕を振り抜く


 9月に入り2試合連続で失点していた。7日のヤクルト戦(横浜)は4点リードの9回にマウンドに上がると、連続四球で無死満塁のピンチを招いた。三番・山田哲人の併殺打に助けられたとはいえ、1失点と不安の残る内容だった

「疲れ?ないですね。そんなこと言ってられないですよ」と話したのは9日の試合前(同カード)だ。3試合連続で4点差での登板となったその試合も連打を浴び、二死一、二塁となったところで迎えるは四番・バレンティン。一発が出れば1点差とされる緊迫した場面で、最後は渾身の真っすぐで見逃し三振、無失点で切り抜けた。

 2年ぶりにシーズンを通してクローザーを務める今季、47試合に登板して28 セーブ、防御率は3.38。9回の投手起用に頭を悩ませる球団が多い中、開幕から守護神の座を守り続けてきた。とはいえ、例年調子を落とす夏場に今年も失点を重ねた。月間防御率を見ても5月1.00、6月2.00、7月7.11、8月6.00、9月6.00と失速気味だ。

 原因は疲労が大きいと思われる。真っすぐが走らず、ツーシーム1本に頼らざるを得ない。またボールが真ん中に集まり痛打される場面も見られた。それでも本人は「長いシーズンなので点を取られるときもあれば、簡単に抑えられることもあります。許容範囲だと思っています」と前を向く。

 もう一つ気になるのが横浜スタジアムでの失点の多さだ。今季の失点は横浜スタジアムと先週の富山での2球場のみ。それ以外では無失点という偏ったデータが出ている。なぜ本拠地で打たれるのか? 本人に直球の質問をぶつけてみると「それは僕にも分かりません。ハマスタに聞いてください(笑)」という答え。マウンドの高さや硬さなどが影響を及ぼしているのか、それとも単純に相性だけの問題なのか……。

 現時点でセーブ数はトップの阪神のドリス、広島中崎翔太の29セーブを1つ差で追う。十分に初タイトルを狙う位置につけているが、その欲は今の山崎康にはない。「チームの勝利に徹するしか、僕は考えてません。今までもずっとそうやってきましたから」。

 3位までは4ゲーム差、残りは22試合。状況は厳しいが、3年連続のCS進出をあきらめる段階にはないし、クローザーは山崎康しかいない。「今はチーム全体が一つになっていると思うし、僕もラストスパートです」。チームは明日よりマジックを一ケタに減らしたカープとの3連戦のため、広島に乗り込む。
文=滝川和臣 写真=高塩隆
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