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大船渡高・佐々木朗希は160キロ突破なるか!? 岩手大会準決勝

 

9月22日、岩手大会準決勝は雨天により23日に順延。会場である花巻球場は、大船渡高の157キロ右腕・佐々木朗希の先発登板が予想され、大きな盛り上がりとなるはずだ


「恵みの雨」となったはずだ。9月22日に予定されていた秋季岩手県大会(花巻球場)は雨天により、23日に順延となった。4強進出校で唯一の公立校・大船渡高にはプロ注目投手がいる。2年秋の時点で、157キロをマークしている189センチ右腕・佐々木朗希だ。

 今年6月、2年生ながら高校日本代表第一次候補30人にも選出された逸材である。今夏の県大会2回戦(対盛岡三高)では154キロを計測して、早くもNPBスカウトからも「2019年のドラフト超目玉」として脚光を浴びた。同夏の3回戦は体力的な不安もあり登板なく敗退も「一番・中堅」として、抜群の野球センスを披露しているのが印象的だった。

 佐々木が初めて背番号1を着けた今秋、大船渡高は沿岸南地区予選を3試合連続コールド勝ちで突破。9月16日の盛岡三高との県大会1回戦で157キロをマークして11奪三振のシャットアウト(5対0)。球場の誤作動により「163キロ」が表示されたが、むしろ、さらに注目を浴びるきっかけともなった。高校入学以来初の連投となった翌17日、一戸高との2回戦は7回コールド勝ち(11対1)で、毎回の13奪三振と圧倒してみせた。

 そして、中1日で迎えた19日の黒沢尻北高との準々決勝も15奪三振と圧巻の投球。この試合も一人で投げ切り(4対1)、準決勝進出を決めている。4日間で3試合完投。疲れがないと言えばウソになる。中2日で準決勝を迎える予定であったため、佐々木としてはありがたい「休養日」となったのは間違いない。

 相手は2017年の甲子園で春夏連続8強進出の盛岡大付高。今秋の県大会3試合25得点で3試合連続コールド勝ちと、自慢の猛打が健在。この一戦は「佐々木対盛岡大付高打線」の構図となるため、少しでも佐々木が万全のコンディションで臨めるのは好材料と言える。

 2年生で157キロ。かつて済美高・安樂智大(現楽天)が2013年夏の愛媛大会準決勝(対川之江高)で同数字を計測しており、今秋の佐々木は「最速タイ記録」とされている。

 県大会上位3校が東北大会へ進出するため、明日の準決勝を制すれば、来年3月のセンバツ甲子園に一歩近づく。つまり、絶対に落とせない試合で、アドレナリン全開となるのは確実。同じ岩手のスーパーヒーロー・大谷翔平(現エンゼルス)は花巻東高3年夏(2012年)の県大会準決勝(対一関学院高)で、160キロをマークしているが、急成長中の佐々木が「超大台突破」を遂げる可能性も十分ある。

 今夏の甲子園で金足農高(秋田)の右腕・吉田輝星が準優勝へと導き、佐々木も“先輩”に次ぐ東北勢の「公立校旋風」を狙っている。専大北上高と花巻東高による準決勝第1試合の後、佐々木を擁する大船渡高は、盛岡大付高との第2試合(12時30分開始予定)で登場する。見逃せない一戦となりそうだ。

文=岡本朋祐 写真=BBM
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