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ソフトバンク・森唯斗を支える“キング”の言葉

 

9月24日の日本ハム戦(ヤフオクドーム)で今季33セーブ目を挙げた森(写真右)


 8月当初のパ・リーグの順位表、ソフトバンクの名前はBクラスにあった。しかし、そこから怒涛の巻き返しが始まり、8月を18勝6敗で終えると、9月に入っても勢いは衰えず。首位西武との天王山で痛過ぎる3連敗を喫して崖っぷちには立たされたが、大逆転Vに向かって最後の最後まであきらめずに戦っている。

 考えてみれば今年のソフトバンクは、開幕当初から数々の災難に見舞われてきた。特に故障者には泣かされ続けた。それでもチーム一丸でここまで順位を押し上げ、首位西武に必死に食らいついている。快進撃の立役者の1人が、抑えを務める森唯斗だ。

『キング・オブ・クローザー』サファテのケガにより、抜てきされた森。9回のマウンドは「上がった人にしか分からないところ」だと言い、就任当初は「プレッシャーがものすごくあって本当にガチガチでした」。そこからマウンドを重ね、いまでは「いい緊張感、いい刺激の中でできている」と実に頼もしい。

 森とサファテは公私ともに仲良しだ。「同じ2014年入団で、僕が一軍にいるようになってから、ごはんとか一緒に行ったり、いろいろ話したりして。どんどん仲良くなっていきましたね、いつの間にか」と森。森はサファテを兄のように慕い、サファテは森を弟のように可愛がっている。クローザーを任されるようになり、サファテからアドバイスのようなものはあったのだろうか。「特には……」と答えたあと、森はこう続けた。

「『いま持っているもので十分できる』と言ってもらったし、『そのままずっと頑張っていけ』って言われましたね」

 身近な存在からの確かな後押し。大丈夫、君ならできる――。どんなアドバイスよりも、森にとって力になったであろう強い言葉だった。

 その言葉を胸に、森は9月24日の日本ハム戦(ヤフオクドーム)で今季33セーブ目を挙げ、セーブ数リーグトップに躍り出た。チーム6試合で6試合連続セーブはプロ野球タイ記録。抑えという新たなポジションで輝く森をサファテは『Queen of Closer(クイーン・オブ・クローザー)』と評している。いま、鷹の9回のマウンドには、キングがいなくともクイーンがいるのだ。

文=菅原梨恵 写真=湯浅芳昭

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