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編集部員コラム「Every Day BASEBALL」

再び岐路に立つDeNA白根尚貴

 

昨年6月17日のオリックス戦では、うれしい初安打&初アーチとなる2ランを放ちお立ち台にも立った


 2015年オフ、ソフトバンクの育成契約を断り、合同トライアウトを経てDeNAに入団した白根尚貴が、再び人生の岐路に立たされた。10月3日、球団は今季限りで自由契約となる9選手を発表。白根の名前もそれに含まれていた。

 思い出すのは、昨年の6月17日オリックス戦(横浜)。7回に代打で起用されると、フルスイングでとらえたホールは左翼スタンドに飛び込む2ラン。プロ初安打が初本塁打となった。「ストレートに振り負けないようにバットを振ることだけを考えた。強く振って球が当たってくれたことしか覚えていません」と興奮気味にプロ6年目でようやく飛び出した1本を喜び、そして「手の手術で入院している母に、野球やっている姿を見せられたら、少しでも元気になる」と声を震わせた。

 今年4月、女手一つでプロにまで育ててくれた最愛の母が天国に旅立った。決意を新たにした今季だったが結果は思うようについてこなかった。一軍出場がないまま、二軍では66試合に出場し、打率.251、15打点、1本塁打。細川成也ら下からの突き上げもあり、球団の構想から外れる形となった。

 現時点では今後の去就は未定。しかし、年齢は25歳とまだ若い。186センチ90キロが秘める高いポテンシャルは誰もが認めるところだ。プロ7年で一軍出場が15試合は少な過ぎる。持ち前のパワフルな打撃が、新たな舞台で花開くことを期待したい。
文=滝川和臣 写真=桜井ひとし
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