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セ・リーグ6球団 今季のチームMVPは?

 

今季のレギュラーシーズンも全日程が終了した。好成績を残したチーム、来季へ向けて捲土重来を誓うチームとそれぞれだが、チームで最も力を発揮した選手は誰か。セ・リーグ6球団のMVP選手を見ていこう。

読売ジャイアンツ



 投手主要3冠に、加えて沢村賞選考基準の7項目をすべてクリアし、2年連続での受賞が濃厚な菅野智之ももちろんだが、ここでは若き主砲を推したい。今季限りで退任が決まった高橋由伸監督の我慢の起用に応え、6月2日のオリックス戦(京セラドーム)からは読売巨人軍第89代四番打者に座った岡本和真だ。安打の出ない苦しい期間を乗り越えて、打率.309、33本塁打、100打点は立派。史上最速での『3割、30本、100打点』をクリアしたレギュラーシーズン最終戦では、そのバットでチームの3位を確定させるなど、頼れる四番に成長した。

広島カープ



 強力打線の力でリーグを制した広島のMVPが丸佳浩であることに異論はまずないだろう。歴代4位タイの出塁率.468は驚異的だ。本人は春先に約1カ月、戦列を離れた責任を感じており「そこは埋められないけれども何とか貢献したい」と頑張ってきた。見ると、率でない積み上げ型の記録でも、本塁打は23から39、出塁数でも258から265と、出場125試合の今季、143試合出た昨季より増やしている。欠場分も立派に埋めていると言えよう。

阪神タイガース



17年ぶり最下位になったチームで唯一全試合出場を続けたのが糸原健斗だ。昨年はケガもあったが、今年は開幕から一、二番を任され、チームをけん引し続けた。打線全体が低迷する中で、175センチと小柄ながらシャープなスイングでチーム最多の152安打を放つなど、1年間安定した打撃を続けた。「一番・二塁」という役割から目立つことはなかったが、糸原がいなければ、猛虎打線の得点力不足はさらに深刻になるところだったとも言える。

中日ドラゴンズ



 MVPはプロ2年目組の中から推したい。後半戦5連勝など、大車輪の活躍を見せ、最下位から救った笠原祥太郎はその筆頭。最大の武器である“魔球”カットボールを引っ提げて、11月に行われる日米野球の侍ジャパンメンバーにも抜擢された。また、ロングリリーフに先発と、どんな起用にも結果で応えてみせた藤嶋健人の存在も忘れてはならない。“逆首位打者”に迫る成績ではあったが、京田陽太もチーム唯一の全試合出場。守りの要である遊撃手としては大いに価値がある。この若い力の芽吹きは、間違いなく来季に向けた光明だ。

東京ヤクルトスワローズ



 昨季96敗からの巻き返しは、山田哲人のバットによるところが大きい。打率.315、34本塁打、33盗塁で史上12回目のトリプルスリーを達成した。これは2015、16年に続き、3度目の偉業。複数回達成しているのも山田哲のみだ。7月9日の巨人戦(静岡)では史上66人目、71度目のサイクル安打を達成。33盗塁で2年ぶり3度目の盗塁王に輝き、130得点は史上3位タイの数字。まさに記録ずくめのシーズンとなった。

横浜DeNAベイスターズ



 9月+10月で計14本と本塁打を量産したネフタリ・ソトのバットが一時は最下位に沈んだDeNAを引き上げた。この男がいなければ、シーズン終盤にCS争いを繰り広げることはなかっただろう。入団当初は、一塁・ロペス、三塁・宮崎敏郎のバックアップとして期待されていたが、勝負強い打撃、球界トップクラスの飛距離で41本塁打をマーク、来日1年目で望外のタイトルを手中に収めた。10月13日、球団は来季の契約更新を発表。3500万円だった年俸が、来季9500万円(プラス出来高)に跳ね上がったのも当然の評価だろう。

写真=BBM
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