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パ・リーグ6球団 今季のチームMVPは?

 

今季のレギュラーシーズンも全日程が終了した。好成績を残したチーム、来季へ向けて捲土重来を誓うチームとそれぞれだが、チームで最も力を発揮した選手は誰か。パ・リーグ6球団のMVP選手を見ていこう。

埼玉西武ライオンズ



 10年ぶりのリーグ優勝を成し遂げたチームにあって、浅村栄斗の働きは非常に大きかった。三番に座り、球団日本人初の3割、30本塁打、100打点をマーク。なかでもタイトルに輝き、球団最多となる127打点を挙げるなど、勝負強さが光った。それだけではない。状況に応じて右打ちをするなど、球団史上最多得点を樹立した今季の猛打線を“線”とたらしめた。キャプテン2年目。言葉数は多くはないが、ナインに“気持ちが伝わるプレー”で見事に重責も果たした。

福岡ソフトバンクホークス



 ケガ人を抱えながら優勝争いをするまでチームを押し上げた功労者は多いが、外野の一角を担い、全試合出場を果たした上林誠知は今季、さらなる進化を遂げた選手の1人だろう。チーム状況、自身の調子により上位・下位とさまざまな打順を任される中で、それぞれでの役割を強く意識。難しさを感じながらも、打率.270、22本塁打、62打点と打撃主要部門すべてでキャリアハイの成績を収めた。特に14三塁打は12球団トップ、NPB65年ぶりの記録。「走塁は野球で一番難しい」と言いながら、相手の守備位置、打球の行方を観察して果敢に次の塁を狙った。それでも「先輩たちの数字を見ると、まだ全然歯が立たない」と上林。まだまだ満足はしない。

北海道日本ハムファイターズ



 投手陣に不振で成績を落とした選手、ケガ人も多く出た中で、今季もこの男の存在感は際立っていた。宮西尚生。プロ11年目の今季も中継ぎ陣の柱として孤軍奮闘。11年連続50試合以上登板をはじめ、プロ野球新記録の274H、325HPも達成。41HPで2年ぶり2度目の最優秀中継ぎ投手賞のタイトルも獲得した。グラウンド内外で若手投手たちへの献身的なサポートも含め、指揮官も「代えの利かない選手」と絶賛する北の鉄腕。地道な努力で大きな金字塔も打ちたてたこの男なくして、チームのCS進出はなかった。

オリックス・バファローズ



 腰痛に泣いた過去2年の悔しさを糧に躍動した。チーム唯一の全試合出場と開幕前に掲げた目標を達成し、6月から四番に定着して打率321、26本塁打、86打点。期待される一発こそ量産には至らなかったが、ときに逆方向へ安打を放つなど、自身が目指す「幅のある打撃」を披露して打線をけん引し続けた。チャンス時に打席へ入る際には、スタンドのファンが本人考案の応援グッズ『ダンベル』を手に声援を送るなど、球場の雰囲気も変える力を持つ。チームは4年連続のBクラスに終わっただが、背番号34の“フル稼働”は、来季へ向けた何よりの光明だ。

千葉ロッテマリーンズ



 眠れる大砲がプロ5年目、29歳を迎えるシーズンに完全覚醒を果たした。ルーキーイヤーの2014年以来、4年ぶりとなる「開幕四番」に抜てきされると、過去4年間で出場111試合、通算4本塁打だった男が、133試合で打率.292、24本塁打。何より「過去の自分を思えば怖いものはない。チームのために何とかしたい。ただそれだけ」の精神を貫き、得点圏打率.342でリーグ5位の99打点をマークして打線をけん引。チームは今季もリーグ5位の534得点と得点力不足に苦しんだが、来季へ向けて打線の核となる存在が現れたのは明るい光だった。

東北楽天ゴールデンイーグルス



 チームが最下位に沈む中、エースらしいピッチングを貫いた。今季23試合に登板して、4年ぶりの2ケタ勝利となる11勝4敗。防御率2.72はリーグトップ。10月13日にレギュラーシーズン公式戦がすべて終了し、自身初のタイトル獲得が決まった。5月から7月の3カ月は負けなしの8連勝。一時は防御率1点台をキープするなど、抜群の安定感を見せた。来季はFA移籍3年目となる。優勝争いに絡む中での快投を見てみたいものだ。

写真=BBM
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