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ドラフト会議物語

【ドラフト会議物語40】和田、村田、新垣ら「松坂世代」が大挙入団【2002年】

 

今年は10月25日に行われるドラフト会議。毎年、金の卵たちが、どの球団へ進むか大きな注目を集める“一大イベント”で、さまざまなドラマも生まれる。今年で54年目を迎えるドラフト会議の歴史を週刊ベースボールONLINEでは振り返っていく。

重複指名は高井のみ


入団前の対談で和田(左)、木佐貫(右)


2002年11月20日
第38回ドラフト会議(新高輪プリンスホテル)

[1巡目選手]
オリックス 加藤大輔 (神奈川大)自
横浜    村田修一 (日大)自
      土居龍太郎(法大)自
日本ハム  尾崎匡哉 (報徳学園高)
広島    永川勝浩 (亜大)自
ロッテ   西岡剛  (大阪桐蔭高)
阪神    杉山直久 (龍谷大)自
      江草仁貴 (専大)自
ダイエー  和田毅  (早大)自
      新垣渚  (九州共立大)自
中日    森岡良介 (明徳義塾高)
近鉄    坂口智隆 (神戸国際大付高)
ヤクルト  高井雄平 (東北高)
西武    長田秀一郎(慶大)自
      後藤武敏 (法大)自
巨人    木佐貫洋 (亜大)自
      久保裕也 (東海大)自
 
 大学4年間で磨かれた「松坂世代」が大挙プロ入りした。自由枠は12人、そのすべてが大学生だった。

 最大の目玉は法大・江川卓の通算奪三振記録を破った早大の左腕・和田毅。これを“逆指名上手”のダイエーがガッチリつかみ、4年越しの入団を熱望していた新垣渚も獲得した。ともに先発に定着。特に和田は1年目から14勝5敗の好成績を挙げた。さらに自由枠では横浜の村田修一、巨人の木佐貫洋、オリックスの加藤大輔をはじめ、広島・永川勝浩、阪神・江草仁貴、西武・後藤武敏、巨人・久保裕也と実績を残した選手たちの顔がある。

 高校出の注目は150キロ左腕・高井雄平だったが、自由枠の充実もあって近鉄、ヤクルトの2球団のみの競合でヤクルトへ。本人の希望は巨人で、外れた場合は社会人と決めていたが、結果にはさほど悩まず、入団を承諾。いまは野手に転向し、中心選手となっている。

 高校生ではロッテのスピードスター・西岡剛、近鉄が高井を外して指名した巧打の外野手・坂口智隆、さらにヤクルト3巡目には右腕・館山昌平(日大)の名前もある。

 また、元メジャーながらドラフト対象となり、ヤクルト濃厚と言われていた鈴木誠(元ロイヤルズ)はオリックスが2巡目で強奪した。

 4巡目以降にも好選手が多い。名前を列記していく。横浜が4巡目に加藤武治(三菱ふそう川崎)、5巡目が吉村裕基(東福岡高)、さらに最後の11巡目にも内野のユーティリティー・木村昇吾(愛知学院大)。日本ハムが4巡目・武田久(日本通運)、5巡目・小谷野栄一(創価大)、6巡目・紺田敏正(国士舘大)、8巡目・鶴岡慎也(三菱重工横浜クラブ)、阪神が5巡目で久保田智之(常磐大)、西武が4巡目で小野寺力(常盤大)、巨人が6巡目で矢野謙次(国学院大)といった具合だ。

 なお、この年の現役選手はかなり少なくなってきたが、そのなかでこのオフには杉内(巨人)、村田(BCL・栃木)、後藤(DeNA)、矢野(日本ハム)、小谷野(オリックス)が引退。大きな岐路に立つドラフト年代と言っていいだろう。

<次回に続く>

写真=BBM
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