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ドラフト会議物語

【ドラフト会議物語48】全体的に小粒の印象も4巡目に松山竜平、聖澤諒の名が【2007年大学・社会人】

 

今年は10月25日に行われるドラフト会議。毎年、金の卵たちが、どの球団へ進むか大きな注目を集める“一大イベント”で、さまざまなドラマも生まれる。今年で54年目を迎えるドラフト会議の歴史を週刊ベースボールONLINEでは振り返っていく。

“BIG3”に指名が集中


日本ハムの3巡目で指名された関西学院大の宮西


2007年11月19日
第43回ドラフト会議
大学生・社会人(グランドプリンスホテル新高輪)

[1巡目選手]
オリックス  小林賢司 (青学大)  
ヤクルト   加藤幹典 (慶大)
西武     平野将光 (JR東日本東北)
広島     篠田純平 (日大)
楽天     長谷部康平(愛知工大)
横浜     小林太志 (JR東日本)  
ソフトバンク 大場翔太 (東洋大)
阪神     白仁田寛和(福岡大)
ロッテ    服部泰卓 (トヨタ自動車)
中日     山内壮馬 (名城大)
日本ハム   多田野数人(元インディアンス)
巨人     村田透  (大体大)

 1993年以来14年間続いてきた「逆指名」(希望枠)がついに終わりを迎えた。高校生同様に1巡目は入札、重複すれば抽選となる。

 大場翔太、長谷部康平、加藤幹典の3投手が大学BIG3と言われ、獲得合戦になった。大学4年間で東都大学リーグ最多記録410奪三振をマークした鉄腕・大場翔太はオリックス、横浜、ソフトバンク、阪神、日本ハム、巨人の6球団が競合し、ソフトバンク・王貞治監督が右手で当たりクジを引き当てた。

 愛工大の左腕・長谷部康平は、西武、広島、楽天、ロッテ、中日の5球団が競合し、楽天へ。加藤幹典は1巡目唯一の一本釣りでヤクルトが獲得となった。

 ただし、この3人は入団前の評価ほどの結果を出せたわけではなく、ほかの1巡目も12年に10勝を挙げた山内壮馬のように、数年は活躍しても長く続かず、総じて小粒の印象があった。

 その中で、日本ハムがメジャー帰りの多田野数人、逆に巨人の村田透は一軍登板なく、海を渡り、多田野と同じくインディアンスでメジャーのマウンドを1試合だけ踏み、17年には日本ハムで日本球界に復帰と、異色の経歴を持つ選手がいる。

 高校生ドラフトで1巡目を回避すれば指名できる2巡目はまたも皆無。続く3巡目には好選手が多く、日本ハムの中継ぎのスペシャリスト・宮西尚生(関学大)、横浜がオリックスを経て移籍した阪神で17年にブレーク、最優秀中継ぎとなった桑原謙太朗(奈良産大)、広島が16、17年の選手会長・小窪哲也(青学大)、オリックスは巧打で注目されながら10年に急死した小瀬浩之(近大)を指名した。

 4巡目には、このドラフト最大の出世頭2人の名前がある。広島の仕事人・松山竜平(九州国際大)、楽天が12年の盗塁王、聖澤諒(国学院大)だ。なお、この年、2会議での指名は6人ながら、小窪、松山、高校生ドラフトで丸佳浩(千葉経大付高)、安部友裕(福岡工大城東高)を獲得した広島が最大の成功と言えるだろう。

 育成ドラフトでは楽天1巡目の内村賢介(BCリーグ石川)が楽天、さらにDeNAで通算596試合に出場している。

<次回に続く>

写真=BBM
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