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セ・リーグ6球団 過去10年の成功ドラフトは?

 

いよいよ10月25日に迫ったドラフト会議。「運命の日」を前に、過去10年におけるセ・リーグ6球団の“成功ドラフト”をピックアップしていこう。各球団の“今”につながったドラフトとは――。

広島カープ 2014年入団ドラフト


広島の2014年ドラフト1位・大瀬良大地


 広島の場合、何といっても2013年秋のドラフトだろう。1位で現在のエースの大瀬良大地(九州共立大)を指名、2位の九里亜蓮(亜大)も現在はローテーションの一角だ。3位は連続フルイニング出場継続中の遊撃手・田中広輔(JR東日本)。4位の西原圭大(ニチダイ)は16年限りで引退となったが、5位の中村祐太(関東一高)も、先発に、救援にと頑張っている。5選手中4選手が一軍戦力、しかも主力級の当たり年だ。

東京ヤクルトスワローズ 2013年入団ドラフト


ヤクルトの2013年ドラフト1位・石山泰稚


 今季、新クローザーとして35セーブを挙げた石山泰稚、そしてエースとしての地位を固めつつある小川泰弘。この2人を1、2位で獲得した2012年秋のドラフトが最大の成功と言えるだろう。1位では4球団が競合した藤浪晋太郎(大阪桐蔭高、現阪神)を抽選で外し、石山は2回目の指名でとなったが、今の活躍を見れば失敗ではなかった。ちなみに同年のソフトバンク6位・山中浩史(Honda熊本)を2014年途中にトレードで獲得しており、このサブマリン右腕も先発としてチームを支えている。

読売ジャイアンツ 2018年入団ドラフト


巨人の2013年ドラフト1位・菅野智之


 なかなか難しい設問だ。過去10年のドラフト1位は、10人中7人(残りの3人のうち、2人はすでにチームにいない)が今季一軍でもプレーし、2010年入団の長野久義(Honda)、11年・澤村拓一(中大)、13年・菅野智之(東海大)、14年・小林誠司(日本生命)、15年・岡本和真(智弁学園高)、17年・吉川尚輝(中京学院大)と見事に主力となっているので、それだけで成功と言えるのだが、2位以下まで含めると……。ただし、18年入団、つまりルーキーたちは有望株ぞろい。1位・鍬原拓也(中大)を筆頭に、3位・大城卓三(NTT西日本)、5位・田中俊太(日立製作所)ら支配下8人中5人が一軍デビュー済み。来季以降の飛躍が楽しみだ。

横浜DeNAベイスターズ 2015年入団ドラフト


DeNAの2015年ドラフト1位・山崎康晃


 2014年秋のドラフトは、今季セーブ王に輝いた1位・山崎康晃(亜大)をはじめ、2位・石田健大(法政大)、3位・倉本寿彦(日本新薬)と即戦力で獲得した大学・社会人ルーキーが1年目から一軍で躍動した。5位・山下幸輝(国学院大)、7位・飯塚悟史(日本文理高)らこの年に指名された7人中6人が一軍の舞台を経験し、戦力となっている。翌16年入団組も1位・今永昇太(駒大)、3位・柴田竜拓(国学院大)、4位・戸柱恭孝(NTT西日本)と投手、野手をバランスよく補強できており、DeNAスカウト陣の眼力が確実に戦力拡充につながっているようだ。

中日ドラゴンズ 2017年入団ドラフト


中日の2017年ドラフト1位・京田陽太


 即戦力の社会人中心のドラフトから一転、素材重視の指名に切り替えたのが2016年秋のドラフトから。そして、その17年入団組が早くも頭角を現し始めている。1位・柳裕也(明大)、2位・京田陽太(日大)、3位・石垣雅海(酒田南高)、4位・笠原祥太郎(新潟医療福祉大)、5位・藤嶋健人(東邦高)、6位・丸山泰資(東海大)。ご覧のとおり、今季の中心選手ばかり。右ヒジじん帯損傷の丸山と石垣以外は一軍でも活躍した。出世頭は、昨季チームでは川上憲伸以来の新人王に輝き、今季は井端弘和以来の遊撃手で全試合出場を果たした京田か。笠原、藤嶋、柳も成長し、今後も非常に楽しみだ。

阪神タイガース 2014年入団ドラフト


阪神の2014年ドラフト1位・岩貞祐太、左は和田豊監督(当時)


 岩貞祐太(横浜商大)、陽川尚将(東農大)、梅野隆太郎(福岡大)、岩崎優(国士舘大)と今季一軍で活躍した面々が入団したのが2014年。外れの外れ1位も岩貞は現在、先発ローテの左腕投手として貴重な存在。今季100試合以上にスタメンマスクを被ったドラフト4位の梅野隆太郎は正捕手と言っていい。さらにリリーバーとしてチームから絶対的な信頼を得ている岩崎優はドラフト6位。今季四番を務めた陽川尚将は3位。全員が大卒の同級生で、今後チームを担っていく存在だ。この年の2位は横田慎太郎(鹿児島実高)。現在は大病から復帰を目指しているが、その素質はこの年のドラフトではNo.1だろう。

写真=BBM
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